盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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03日

ポジティブとネガティブ

人間は、生来、誰でもポジティブな存在だと思います。

赤ちゃんは、自動的に親を信頼し、愛するようにできています。幼い子供は疑うことを知らないし、羞恥心もありません。

子供は、今に生きているので、あまり先のことを心配したり、過去のことを思い煩ったりしません。

小さい子供の鬱とか不安障害というのは、ないとはいわないけれど(特に不安障害)、大人に比べるとずっと少ないです。

人を信じられなくなったり、羞恥心を抱いたり、鬱や不安症になるのは、その後の経験によるものが大きく、後天的に学習されたものです。いわば、もともと肯定的な性質をもつ心の外側を、タマネギの皮のように、否定的な見方や感じ方が覆ってしまっている状態です。

それゆえ、ネガティブな精神状態になっている大人が、ポジティブに転じて、自由で幸せな心を取り戻すためには、身についてしまったネガティブなものを認識し、それを手放す必要があるのだと思います。

そのプロセスを踏まないで、自分の心の闇から目をそむけたまま、無理やり気持ちを切り替えたり、盛り上げたりして、ポジティブ思考に転ずると、心はやがて悲鳴をあげます。そういう人は、明るく強く見えても、無理をしているのが伝わってくるので、見ていてどこか痛々しいものです。

心というものは、無視されるのを、とても嫌がりますから、認めてもらえないと、ますます大声をあげて訴えかけてきます。

心にあるものは、すべて理由があって必然的にあるのだから、まず、ちゃんとその存在を認めてあげる必要があるのです。その上で、自分を益していないもの、役に立たないものは、選び取って捨ててもいいのです。そして、この「選んで捨てる」という作業は、ちゃんと見て認識して、つながりを持つことにより、初めて可能になります。

だから、ネガティブな感情にも、ちゃんとつながって感じてあげる必要があるということです。

便宜上、ポジティブとかネガティブという言葉を使いましたが、本当は、心にあるものに、いいも悪いもありません。だから、「ポジティブ」な感情、「ネガティブ」な感情というのも、本来、ありません。すべての感情は、必要があってそこにある、ただそれだけです。だから、こういう感情を持ってしまった、と自分を責める必要も、一切ありません。

ただし、自分の本当の幸せを実現するにあたり、役立つものか、そうでないか、というのはあります。例えば、怒りを持ち続けたり、人を恨んだり、嫉妬したりすると、それがいい悪いというのではなく、その感情にとらわれている間は、幸せを感じにくくなりますよね。 

でも、怒りを感じたり、恨みを抱いたり、嫉妬心を感じるということは、そう感じる理由があるはず。それが自分にとって幸福な状況ではない、とうメッセージを送っている感情たちは、裏をかえせば、何が自分にとって幸せか、何がそれを阻害しているのか、というメッセージもはらんでいるはずです。

それにちゃんと気づいてあげることは、大切だと思います。

光を感じるためには、闇も必要。結局、闇から目をそらさず、ちゃんと見てあげることによって、はじめて、本来もつ光が輝き出る、ということです。

 

 

                                             (Chika)

 

 

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