盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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12月

「意志が弱くて取りかかれない」時の処方箋

先日、「やらなければいけないと思っても、意志が弱くて、ついついなまけてしまう」というご相談がありました。

勉強でも、家事などのタスクでも、やった方がいいのだけれども、楽しい用事ではないから気が進まず、なかなか取り掛かれないことってありますよね。

やらなくて済むならいいけれども、やらないと、未来の自分が困った羽目に陥るなら、今、やった方がいい。でもやる気が起きない。

そんな時に役立つ方法をご紹介します。

意志の力が強まれば、自分をコントロールする力もアップし、やるべきことに取り掛かることもできやすくなるのですが、この意志力というのは、自分の中に余白があった方が、発動させやすくなります。

意志とは、「こうしたい。」「こうしよう。」という思いのことですが、その思いに集中することでより強力になり、実行したり、実現したりするパワーも強まります。

けれども、頭の中に色々な考えや情報がごちゃごちゃ入っていたり、心が色々な感情でいっぱいいっぱいの時は、一点に集中するのが難しくなります。

なので、まず、一分でもいいから、自分の中に空白を作ってみてください。余計なものがなくなると、意志に集中し、実行する力も大きくなります。

一番簡単な方法は、目を閉じて、呼吸に意識を向けることです。

呼吸は、いつでも、「今、ここで、自分が」行っていることです。

「今、ここ」に集中することで、未来や過去に無駄に取られていたエネルギーが、創造が可能な唯一の時制である「現在」に戻り、何かを生み出す力が最大限になります。

また、「ホーム」である自分に集中することで、他者や周りの状況など、自分以外の「アウェイ」に意識が向けられたとき、散り散りに発せられて消耗していたエネルギーが自分に戻り、エネルギーがアップします。

外出しているときより、自分に家にいるときの方が落ち着くのと同じで、時々、意識を自分に向け、自分を感じてあげることは、自分を安定させるために、必要不可欠です。

呼吸に意識を向けるにあたってのコツは、息を吸ったり吐いたりするときに、鼻孔を通る空気を感覚的に感じることです。

息を吸うとき、鼻から入ってくる空気を感じ、吐くときは、出ていく空気を鼻の裏で感じます。入ってくる空気は風のように涼しく、出ていく空気は少し温かいはずです。こうやって、体で感じながら呼吸をすると、雑念が生じにくくなります。

もちろん、そうやってはいても、雑念を完全に防ぐことはできないでしょう。防ごうと思わないでください。雑念は入ってきてもいいのです。入ってくることを許し、入って思念はそっと横に置いて、呼吸の感覚に集中しなおします。

こうして、しばらく呼吸に集中すると、自分の中が静かになり、思考や感情が鎮まって、余白が生まれやすくなります。

その後で、やろうと思ったことに取り掛かってみてください。頭や心がいっぱいいっぱいのときより、スムーズに意志が通り、行動に移しやすくなるはずです。

絶望している人に読んでほしい本

「平穏無事なくらしにめぐまれている者にとっては思い浮かべることさえむつかしいかもしれないが、世のなかには、毎朝目がさめるとその目ざめるということがおそろしくてたまらないひとがあちこちにいる。ああ今日もまた一日を生きていかなければならないのだという考えに打ちのめされ、起きだす力も出てこないひとたちである。」

これは、神谷恵美子さん著「生きがいについて」(みすす書房)の冒頭の一文です。

神谷さんは1914生まれで、1979年に亡くなられていますが、精神科医であり、私の愛読書である、マルクス・アウレリウスの「自省録」を、独学で学んだギリシャ語から訳し、世に出した著述家でもあります。マルクス・アウレリウス同様、私が尊敬する人の一人です。

神谷さんは、まだ20歳そこそこの時、父親についてたまたま訪れた、ハンセン病患者の療養施設で、その実態を目の当たりにして、「なぜ、私ではなく、あなたたちが、こんな苦しみを受けなければならないのか」と、衝撃を受けました。当時は、ハンセン病は治療困難な伝染病で、かかった人たちは、島に隔離されていました。そのひどい生活ぶりを目の当たりにして、この人たちを助けたいという思いでいっぱいになり、在籍していた津田塾大学時代、精神科医の医師になると決意した人です。精神科医になってからは、津田塾大学で教鞭を取る傍ら、ボランティアで島のハンセン病療養施設を訪れ、人々を励まし続けました。

津田塾は私が卒業した大学でもあるのですが、大学時代、授業中に、とある年配の先生が、神谷美恵子さんが授業を教えていらっしゃったんですよ、と話しているのを聞いたことがあります。その当時は、神谷さんがどんな方かよくわかっていなかったので、特に興味ももたずにスルーしていたのですが、今思えば、その時、もっと詳しく聞けばよかったと思います。神谷さんは、知性の面では、語学堪能、文系理系ともに秀でた天才である上に、精神面では、日陰で苦しんでいる人たちに寄り添う、菩薩のような人でした。一言で言うなら、非常に賢く、高潔な精神を持った人でした。

そんな神谷さんが書いた、「生きがいについて」は、当時、社会から見捨てられたような生活を余儀なくされていたハンセン病患者の人たちをはじめ、死刑囚、原爆で被爆した人、その他、耐えがたい苦しみや悲しみを抱えて生きる人が、どうやって生きがいを見出すのかということに焦点を当てて書かれた本です。

今、幸せで、明るく楽しい生活を送っている人は、重く感じるだけで、読んでも面白いと思わないでしょうから、お勧めしません。でも、今、生きるのが辛い人、絶望の淵にいる人は、この本を読めば、自分の辛さをわかってもらえて、慰められるような気持ちがするのではないかと思います。興味がある方は、一度、読んでみてはいかがでしょうか。

嫌いな人が多いわけ

「嫌いな人が多い」という人は、たいてい、深層心理で自分のことを嫌っています。

自分を受け入れておらず、拒絶しているのだけれど、その事実から目をそらそうとすると、周囲の人に投影してしまい、「この人、嫌いだ」となってしまうのです。

例え、環境を変えたり、縁を切ったりして、一人の「嫌いな人」から逃げても、次の「嫌いな人」にまた出会ってしまいます。自分を嫌悪している事実に気が付いて、そっちを変えてあげない限り、どこまでたってもイタチごっこになります。

他者は自分を映し出す白いスクリーンであり、外界は、自分の意識を映し出すホログラムです。

投影している他者や外界を変えようとするより、自分に内蔵されている映写機に書かれている情報を変えてあげたほうが手っ取り早いのです。

「自分はダメな人。嫌い。」という情報を、「ダメな自分なんて存在しない。どんな自分でも大事な存在として扱い、全面的に受け入れる。」という情報に書き換えてあげれば、無条件の愛が外の世界に映し出されて、嫌いな人は周囲から消え、周りから大切にされる自分を見出すでしょう。