これまで、Ross Rosenbergの説に基づいて、共依存タイプと感情操作タイプがどうやってお互いに魅かれ合い、共依存関係を築くにいたるか、それそれのタイプの特徴や、生い立ちを含めて詳しくみてきました。
最初に書いたように、私は彼のセオリーが何から何まで100%現実に当てはまるとは思いません。例えば、両親とも感情操作タイプで、ひどい虐待を受けて育った子供でも、自分が共依存や感情操作に陥ることなく、強くて優しい心を持って健全に育つ人は、実際いますし、感情操作タイプの親に適応できず反抗しつづけても、自己愛的・利己的にはならず、なぜか共依存タイプに育つ子供もいます。
けれども、だいたいの傾向としては、Ross Rosernbergのセオリーはあたっていると思うし、共依存のしくみを、とてもうまく説明していると思います。
では、共依存に陥った場、どうやってそこから抜け出したらいいのでしょうか。
Melody BeattieはCo-Dependent No More Cryという著書の中でこういっています。
1.他の人の心配で頭をいっぱいにすることをやめる
2.他の人をコントロールする必要性を手放し、その人に対し、自分で自分の人生の責任を取る力があると思えるだけの敬意をもつ
3.自分が過去にやり残した仕事(unfinished business)や、自分の中の傷つきやすく満たされない子供を含めて、自分のケアをする。
4.自分の欲求を伝えたり、やりたくないことにノーということを含め、コミュニケーション能力をアップする
5.必要な場合は、愛する人に怒りを感じたり表現したりする許可を自分に与える
6.霊性(スピリチュアリティ)を磨く
これは、1から6まで、すべてその通りだと思います。
共依存に陥るということは、他者の中に未解決の自分の問題を映し出しているということだと思います。あの人を放っておけない、なんとか助けたいと躍起になってしまう場合、自分の中に、救い出すことがまだできていない痛みや苦しみがないかどうか、自分の内面に潜って調べてみる必要があるかもしれません。
特に、共依存に苦しむ人は、必ずと言っていいほど、自尊心がとても低いので、自分を受け入れて、好きになること、自分の価値を認めることをしてあげればいいと思います。あなたが世話を焼いている人と同じだけの価値が、自分にもあるということを、認識することは、とても大切だと思います。
もう一つ、強調したいのは、一方が犠牲になって、もう一方がいい思いをするという関係は、決して長くは続かないということです。
共依存タイプは、自分は我慢をしてでも相手を救いたいという思いが強いものですが、そのような関係は、自分が苦しいだけではなく、相手にも、本当の幸せをもたらすことはできません。一方のフラストレーションは、必ずもう一方にも伝わり、お互いの関係がぎくしゃくしたり、怒りを招いたり、ということが起こるでしょう。
長くいい関係を続けたければ、win-lose(一方が勝って、一方が負ける)のではなく、両者とも満足できるような、win-win relationship(両方とも勝つ関係)、自分も、相手も、両方とも持ちつ持たれつで、同じように幸せを感じられる関係を築くことが、必須だと思います。
、