盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

ハミングバードは、心理療法カウンセリングのセラピールームです

お問合せ: 019-681-2268 (完全予約制です。ご予約の際は、留守電にご連絡先を残していただくか下記お問い合わせフォームよりメールでご連絡ください。)
☆営業時間:9時~18時  定休日:第二、第四土曜、日曜、祝日

08日

うつ病は投薬と休息で治るか

日本の精神医療では、うつ病の治療は投薬と休息が基本といわれているらしいですね。(ちなみに、アメリカではそんなことは聞いたことがありません。アメリカは心理療法がとてもさかんなので、心理療法プラス投薬治療がもっとも効果的だと言われていました。)

これから書くことは、あくまでも私の個人的な考えなので、その点をご了承ください。

うつが投薬と休息で治るかどうかと聞かれたら、私は、症状の重さにもよるが、それだけでは治らない、または悪化するケースは多いと思う、と答えます。

もともと、うつ病(正式名称は大うつ病)というよりは適応障害のうつタイプで、何らかのストレスによる一時的な気持ちの落ち込みである場合、そして、もともと比較的健康な心をもっている人の場合は、治る可能性が高いかもしれません。

けれど、本当に大うつ病の診断基準を満たしており、症状が比較的重い場合は、投薬と休息だけでは、いつまでたっても薬を飲み続け、休み続けなければならないことになる。さらに、仕事をやめるなどして、なにもせずに家でゴロゴロし続けていれば、もっと症状がひどくなる場合も少なくないと思います。(そういう人を、私はたくさん見てきました。)

誤解してほしくないのは、休息するのが悪いといっているのではありません。今まで、無理をしすぎてきた人は、休息する必要があると思います。ただ、体を休めることはできても、心をほんとうに休めることができるうつの人は少ないと思います。だから、ただ活動を休止するだけでは不十分だと思います。

ちなみに、薬は、私はあまりおすすめしませんが、死にたくなる、または他人を傷つけたくなるほど症状がひどい場合はやむを得ないと思います。でも、それ以外は、薬依存症になる危険性があること、自然の感情が麻痺して心の回復がおくれてしまうこと、肝臓や腎臓を傷め、生体エネルギーを大幅に損なうこと、副作用がこわいことなどから、個人的にはすすめられません。

実際、長年、薬に依存したあげく、いつも濁ったどんよりした表情で、ゾンビのようになってしまった人たちを、私はたくさん知っています。病院の薬を飲みすぎたショックで亡くなった方もおられました。そういうことが多くなってきたため、最近、アメリカでは、医師が訴えられるのを恐れて、依存性のあるベンゾ系の抗不安薬などは、患者に求められても処方しなくなりました。(日本では、まだまだ、ベンゾ系の薬は簡単に処方されていますが。)

では、どうやったらうつが治るかというと、やり方は人それぞれなのですが、ひとことでいうなら、うつになった原因を探って、それを是正することだと思います。

原因不明のうつと、よくいうけれど、どんな症状であっても、かならず原因があります。ほんとうに原因のない精神障害や疾患のクライアントさんに、私はまだ会ったことがありません。

心のバランスが崩れたとき、その原因を正さずして、ただ休んだり、薬で感覚を鈍らせたりするだけで、どうやってよくなるのか、私にはわかりません。

どんな症状でもそうだけれど、落ち込みとか、不安などの症状は、心が本来あるべき状態からズレているから、それを正しなさい、もしくは癒しなさいというサインだと思います。

ピンチはチャンスとはよく言ったもので、今、苦しくて辛い状態にあっても、そこには、必ず、幸せに向かうためのヒントが隠れているのだと思います。