一瞬が一日を変える
一日が一生を変える
一つの人生が世界を変える
3,4年前、まだアメリカで働いていた頃、「これ、Chikaが好きそうだと思って取っておいた」と言って、同僚がくれたしおりに書いてあった言葉です。
うん、確かに好きかも。
一瞬一瞬、最善を選択して生きることの大切さを思い出させてくれる言葉です。
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最近、ふと思ったのですが、世の中、テクノロジーが発達して便利になっているのに、昔よりも忙しく、時間がないように思われるのはなぜでしょうか。
昔は洗濯板で洗濯をし、かまどの火を起こしてご飯をたいて、井戸の水を汲みに行っていたのでしょうから、確かに毎日忙しく、大変だったでしょう。でもおそらく、今よりももっと、人々が現実に根差して生きることができていたと思います。
今は、洗濯機が洗濯をし、炊飯器がご飯を炊いてくれ、水道をひねったら水が出るので、時間も労力も短縮できているはずですが、現実を生きている人が少ないと思います。
つまり、生活が便利になった分、お金もかかるので、仕事に追われて、我に返って考える暇がない。余暇があれば、テレビやインターネットを見たり、ゲームに没頭したりして、今ある現実にいない。
今の社会は、現実から注意をそらすためには、恰好の場所だなあと思います。
現実から注意がそらされていると、今、自分の中に起こっていることに気づくことができません。
人間には、自分の魂が望む幸せな方向へと向かわせる、羅針盤が備わっています。自分の体が感じている感覚や、内面に起こっている感情は、幸せな方向に進むために、いつも信号を出して導こうとしています。(心や体の痛みも、実はこの信号なのです。)
けれども、息つく暇もなく仕事に追われたり、バーチュアルな世界に没頭していたりすると、それに気づくことができません。
そういう生活を続けていると、心や体が悲鳴をあげていても気づくことができないので、結果として、自分が心の底からは望んでいない方向に、人生が逸れていってしまうのは、まず確実でしょう。
自分の内側に起こっていることや、自分の生きている現実から目を背ける方法は、昔から、お酒や麻薬、女遊び、ギャンブル、買い物依存等、他にもたくさんありますが、近年の文明社会の在り方は、まさに気をそらすための手段の宝庫のようです。
そんな世間の風潮に流されないで、目の前にある雲や星を眺めてホッとしたり、テレビやパソコンを切って静かな時間を持ち、内観して自分に帰る時間を、毎日少しでも確保することは、とても大切だと思います。
神よ
変えられないものを受け入れるために必要な心の静かさを
変えられるものを変えるために必要な勇気を
変えられるものと変えられないものとを識別するために必要な叡智を
我に与えたまえ
God, grant me the serenity
To accept the things I cannot change;
The courage to change the things that I can;
And the wisdom to know the difference.
これはSerenity Prayerという、有名な祈りです。
作者は諸説ありますが、ニーバーというアメリカの神学者が作ったという説が有力です。
AA(Alcoholics Anonymous=アルコール依存の人たちの自助グループ)の12段階のプログラムという依存症克服プログラムの中でよく使われている詩です。
今、現在、状況を変える手立てがあるのなら、勇気をもってそれをやってみること。
今、現在、なすすべがなく、状況を変えることができないなら、その状況を思い切って受け入れること。
これさえできれば、人の心は波立つことがなく、安らかな状態を保つことができます。
不安というのはたいてい、今、この瞬間どうしようもない、未来のことを思い煩うことによって生じます。
今、この瞬間だけに目を向けて、現在できることに最善を尽くし、後のことはその時が来るまであまり考えずに生きる。この技術をマインドフルネス(mindfulness)といって、禅の思想の基本にもなっています。(アメリカでは、マインドフルネスは、心理療法の一環として、不安障害やうつの治療にも使われています。)
マインドフルな生き方をすれば、生きることはずっと悩み少ない、シンプルなものになり、かつ、無駄なエネルギーの消費を抑えられるので、楽で効率のよい生き方ができるようになると思います。
アメリカ社会は、日本に比べても、子供のネグレクトや虐待がとても多いです。そのため必然的に、里親制度を含めた子供を保護するためのシステムが、日本よりも発達しています。
私の担当したクライアントさんの中にも、里親を転々とした人が結構いましたが、その中で、19歳の女の子のジェニー(仮名)は、とても印象に残っているクライアントさんの一人です。
ジェニーの母親は、ひどい薬物依存で、ジェニーは虐待とネグレクトを受けて育ちました。
母親に首の骨が折れかけるほど殴られたり、明け方まで行方不明になった母親を探しに行ったり、母親の代わりにストリートで麻薬を売ったりして、大変な毎日を送った挙句、ジェニーは州政府の施設に保護され、里親に出されました。
13か所だったか、数多くの里親のところを転々としていた十代半ばくらいまで、彼女は、いつも激しい怒りをあらわにし暴力的だったと、自分を振り返ります。
私が出会ったときは、ジェニーは、すでに荒れた時代は通り過ぎて、怒りの方はもう落ち着いていたのですが、現在の里親との間にトラブルがあり、希死念慮をはらむ重度のうつに苦しんでいました。彼女を引き取った両親が、とてもしつけに厳しくて異常に細かい人たちだったのです。
彼女は、きれいな目をした、素直で純粋な心を持った子でした。自由で創造的な心を持った彼女は、新しい両親が大好きだったのですが、いちいち、理不尽なことで怒鳴られることに閉口し、怒りも感じて、でも、愛する人たちを傷つけたくない思いと板挟みになり、とても苦しんでいました。
また、虐待やネグレクトを受けて育った子供には珍しくないことですが、ジェニーは自己評価がとても低く、自分は醜くてスタイルもよくないから、きっとどんな男性にも愛されないだろうと思い込んでいました。
ある日、カウンセリングに来たジェニーは、こういいました。
「この間、自分が元気になるように、録音テープに自分の声を吹き込んでみた。」
「なんて吹き込んだの?」
と聞くと、
「未来の自分から、今の自分にメッセージを吹き込んだの。」
といいます。
聞けば、その内容は、
「ジェニー、毎日、よく頑張ってるね。おまえには、ゆくゆく、ちゃんと彼氏ができるから、心配しなくても大丈夫だよ。家のことも、だんだんよくなっていくよ。」
という、励ましのメッセージでした。
素晴らしいことを考えつくなあ、と感心したのを覚えています。
さらに素晴らしかったのは、そのメッセージを吹き込んでから1年もしないうちに、本当にそれが現実になっていったことでした。
数か月のちには、自分を理解してくれ、心から大切にしてくれる彼氏ができました。里親の両親に関しても、厳格すぎるしつけが目に余ったので、ジェニーに了承を得た上でこちらから話をし、また、ジェニー自身も努力して両親の理解を得られるようにした結果、少しずつよい方向に変わっていきました。
もともと、彼女の魂には、人として、とても優れた素質が垣間見えており、壁にぶつかっても自分で運命を切り開き、困難を克服して伸びていくだけの強さが備わっていました。
その上で、希望にあふれた未来からのメッセージを、現在の自分自身に送るということは、単に自分を励ますというだけではなく、潜在意識に「自分の未来はこうなる」と宣言して、その未来を実際に創造するためのキュー(合図、指示)となったのだと思います。
その後、ジェニーのうつは回復し、彼女は夢だった仕事へ向けて勉強するために大学に入って、私の知る限り、幸せな生活を送っています。
水や火には、いらないものを浄化してきれいにする作用があります。
修験者が滝に打たれたり、神社の護摩焚きでお浄めしたりするのも、水と火を使った浄化法言えます。
水は、必要のないもの(穢れ)を洗い流し、火は焼きつくすことで、取り除くというわけです。
何もわざわざ、滝に打たれたり、神社に行ったりしなくても、気分がなんとなく上がらない時やイライラしているとき、水と火を使って、もっと簡単に、気持ちをすっきりさせることができます。
例えば、流れている水の音を聞く。
流れる水の音は、気持ちを落ち着かせる作用があります。
できれば、本当に流れている川の近くに行き、その音に耳を澄ませるのが一番いいのですが、それが難しければ、録音した音でもある程度効果があるようです。
このとき、ただ聞くだけではなく、自分の中の不要なもの、手放したいものが、水で洗い流されていくところをイメージすれば、なおいいと思います。
シャワーを浴びながら、いらないもの、手放したい気持ちが洗い流されて、排水溝へと消えていくのをイメージしてもいいでしょう。
アメリカで聞いた話ですが、境界線パーソナリティ障害で自傷を繰り返すクライアントに、衝動が起きたとき、水道の蛇口をいっぱいひねって、流れる水に手をさらすよう、指導している治療センターがあるそうです。そうすれば、冷静になって、衝動が収まる効果が期待できるのだとか。
そういえば、アンガーマネージメント(怒りのコントロール法)の一つとして、怒りに燃えてどうしようもないとき、冷たい水を一杯飲んで、文字通り、怒りを冷ますという方法も、聞いたことがあります。
火による浄化方法で、私が好きなのは、キャンドルの炎をじっと眺めることです。
とても簡単なのですが、ゆらぐ炎を見ていると、本当に気分が落ち着きます。
グループセラピーの一環で、この瞑想法を数分試したところ、双極性障害や境界性パーソナリティ、PTSDといった症状を抱え、普段、感情のコントロールに苦労しているクライアントさんたちの間でも、とても好評でした。
他に私が個人的にやっているのは、天気が悪い日や冬の寒い日が続いて、なんとなく気分が暗くなりがちなとき、部屋にキャンドルを灯しておくことです。暗い、寒い、ということは、火(熱)が足りない、ということなので、本能的に不足している火の元素を補いたくなるのだと思います。実際、そういうとき、キャンドルを灯すと、ホッとして、満ち足りた気分になります。
キャンドルの炎は、30分以上灯しておくと、場の浄化ができるそうなので、よかったら試してみてください。
今日は、私が個人的に実践している心の健康維持法について、お話します。
というと大げさで、実は別に意識してやっているわけではなくて、そういえば自分ってこれやってるな、と先日気づいたことなのですが・・・。
私は、割とよく、自分の精神状態を観察しています。そして、今、自分の心身の状態はこうだから、これが必要だ、と気づいたら、それを自分に与えるようにしています。
例えば、呼吸が浅くなっていると気づいたときは、ストレスがたまってきている証拠なので、腹式呼吸に切り替えたり。
室内であまり動かず、座ってばかりいることが多くて、気持ちがどんよりし、体も重くなってきたと感じたときは、あえて外出して楽しめる場所にいったり、ジムにいって体を動かしたり。
人に会う用事が続いて疲れたときは、ひとりでいる時間を多く作って、アロマや静かな音楽を楽しんだり。
なんとなく心が浮ついていたり、思考が過多になってゆとりがなくなっていると感じたときは、目を閉じてしばらく瞑想したり。
怒りを感じて、それが負担になったときは、その人やできごとの何に反応して、自分の怒りが引き出されたのか、内観してみたりもしますね。・・・というと、私がお坊さんか何かみたいに偉く聞こえますが、そんなことはなくて、私もこれをやるのは、余裕があるときだけです。
感情についていうと、どんな感情がわきおこっても、「こんなこと感じたらダメだ」などと自分に禁止することなく、ありのままを感じるようにしています。「ああ、そんなこと感じていたんだなあ、自分。」と受け入れてあげます。そして、時間や状況が許すなら、できるだけそれを感じきってあげます。そうすると、どんな感情でも、自然と収まっていくものだと知っているので。
話が少しそれましたが、私が実践している心の健康維持法を一言にまとめるなら、「心身のバランスを取る」ということだと思います。
人って、外出ばかりしていても疲れるし、家の中に引きこもってばかりいても疲れる、頭を使いすぎても疲れるし、体を使いすぎても疲れる。極端に傾くと、バランスが崩れるものです。
バランスが崩れたら、それを元に戻してあげればいい。そのためには、何が足りなくて(何が過剰で)バランスが崩れたか、知る必要があります。
普段から、自分の心身の状態に意識を向け、感じてあげる習慣をつけておくと、今の自分に何が必要かがわかるようになってきます。
結果として、比較的安定した気分を保つことが、容易になってくると思います。