よく、コニュニケーションが苦手で、人とうまく話せないという方がいらっしゃいます。
思ったことを伝えられなかったり、上手に返事ができなかったりという人たちを見ていると、ある共通点があります。
それは、「相手にどう思われるか」という意識が強すぎること。
コミュニケーションは「意思伝達」です。その神髄は自分の中に生まれた思いを、相手に伝えるということ。もし「人によく思われたい」という余計な思考が入りこまず、純粋に、自分の中に生まれた一種の衝動として感じられるエネルギーを伝えるならば、相手に最も効果的に伝わるものです。
それなのに、「自分が何を伝えたいか」ではなくて、「どうやったらよく思われるか」がコミュニケーションの動機になってしまうと、動機が不純なゆえに余計な思考が発生し、もともとあった「これを表現したい」という自分のエネルギーの発現を邪魔します。
「よく思われたい」という下心がなければ、直観とつながり、最適な言葉の選択やタイミングで表現することができるもの。今、それを言っていいかどうかも、自分の中の微妙な感覚に意識を向けることができれば、おのずとわかるものなのです。多すぎる思考は直観を感じ取ることを邪魔するので、あれこれ、ぐるぐる考えるけど、わからないという迷路にはまっていきます。
相手が話しているときも、「次になんて言おう」と意識を自分に向けるのではなく、ちゃんと集中して相手の話に耳を傾けていれば、相手が話し終わったとき、自然に自分の中に、最善のレスポンスが生まれるものです。もし何の反応も起きなければ、何も言わないのが最善の反応ということ。何もいうことが思い浮かばないのに、無理に頭で考えだした言葉を発するということは、自分の中の純粋なエネルギーとつながっていないゆえに、コミュニケーションを円滑にするどころか、阻害するということを覚えておいてください。
コミュニケーションは、頭ではなく感覚を大切を大切にすること。頭だけとつながったコミュニケーションは、表面的です。人を言いくるめたり惑わしたりすることはできても、人の心を打ちません。自分の純粋な感覚を感じ取りながら、それを素直に言葉に変えて相手に伝えるということを心がければ、自然と、目に見えないレベルで意義深い交流が起きて、お互いに発展的な関係を築くことができるようになると思います。