うつ病というのは、直接的な原因はなんであれ、結局は、気持ちを心に閉じ込めてフタをしてしまっていることから起こるように思います。
なにか、辛いできごとがあったら、悲しんだり、落ち込んだりするのは、人間として当然です。そういう一時的な落ち込みは、うつ病とは呼びません。
悲しみや、怒りや、罪悪感などの、いわゆるマイナスの感情を長く閉じ込めて、外に出さないでいると、やがて感情エネルギーに滞りが起こり、「うつ病」という精神障害になるのだと思います。
感情は、感じて流すもの。そういえば、占星術では、感情を表すのは、水の星座ですね。感情は、水のように、滞らずに流れていてこそ、きれいでいられるもの。流れをストップしたら、淀んだ水になって、にごってしまいます。
目の前の、川の水の一点を見ていると、向こうから木の葉などの漂流物がやってきたとしても、視界に入った後、やがては流れさっていきますね。それと一緒で、本来、悲しみや苦しみ、喜びなどの感情というのは、ダムのようにせき止めるのでなければ、やってきては、いってしまうもので、永遠にとどまるものではありません。
もって悪い感情というのは、本来ありません。どんな感情を持ったとしても、怖がらないで、例え痛くても、自分の感情を感じて、ちゃんとそこにあることを認めてあげること。受け入れてあげること。
そして、信頼できる人に話すなり、日記に書くなり、絵が得意なら、気持ちをアートにするなりして、表に出してあげること。または、ドラマや映画や本などで、自分と似たような境遇のお話に触れることにより、心が動いて、感情を表面化することができるかもしれません。
うつ病はよくなる病気です。うつ状態というのは、本来、人間にとって不自然な状態だからです。閉じ込めて滞らせないで、感じて、安全な形で表現し、流す。これがうつ状態を回復させる秘訣だと思います。