(1)(2)のつづきです。
子供は成長するにつれて、感情操作タイプの親の親役を務めるようになる(役割の逆転)。自分の感情を抑制し、感情操作タイプの自信を増強する手助けをする。また、手間をかけさせず安全な存在になるよう、早々と自立し、聴き上手で、我慢強く、慈悲深くて、高い共感力を持つようになる。感情操作タイプの親の自慢になるよう、無理して頑張るようにもなる。こうして、感情操作タイプのニーズを満たす、よきパートナーとなる。
その結果、その子供は、下記のような特徴を帯びるようになる。
- 条件付きで愛する人を、無条件に愛する
- 対人関係において、自分を持たなくなる
- 無私無欲で、相手のことを考える
- 利己的で、自己中心的な人たちの間にいて、安心する(親しみを感じる)
- 人を感情から救おうとする
- 「自己犠牲は美徳だ」「求めること、欲することは利己的な行為だ」「自立は価値あることだ」等、現実を歪曲して考える
- 自分を偽り、感情を殺す
この子供は、大人になったとき、条件付きの愛を受け入れ、虐待的で有害な人々の中に「善」を見い出し、その行為を正当化するようになる。また、虐待やネグレクトを愛だと勘違いし、誠実とか献身という言葉の元に、虐待を許すようになる。
(つづく)