先日、「やらなければいけないと思っても、意志が弱くて、ついついなまけてしまう」というご相談がありました。
勉強でも、家事などのタスクでも、やった方がいいのだけれども、楽しい用事ではないから気が進まず、なかなか取り掛かれないことってありますよね。
やらなくて済むならいいけれども、やらないと、未来の自分が困った羽目に陥るなら、今、やった方がいい。でもやる気が起きない。
そんな時に役立つ方法をご紹介します。
意志の力が強まれば、自分をコントロールする力もアップし、やるべきことに取り掛かることもできやすくなるのですが、この意志力というのは、自分の中に余白があった方が、発動させやすくなります。
意志とは、「こうしたい。」「こうしよう。」という思いのことですが、その思いに集中することでより強力になり、実行したり、実現したりするパワーも強まります。
けれども、頭の中に色々な考えや情報がごちゃごちゃ入っていたり、心が色々な感情でいっぱいいっぱいの時は、一点に集中するのが難しくなります。
なので、まず、一分でもいいから、自分の中に空白を作ってみてください。余計なものがなくなると、意志に集中し、実行する力も大きくなります。
一番簡単な方法は、目を閉じて、呼吸に意識を向けることです。
呼吸は、いつでも、「今、ここで、自分が」行っていることです。
「今、ここ」に集中することで、未来や過去に無駄に取られていたエネルギーが、創造が可能な唯一の時制である「現在」に戻り、何かを生み出す力が最大限になります。
また、「ホーム」である自分に集中することで、他者や周りの状況など、自分以外の「アウェイ」に意識が向けられたとき、散り散りに発せられて消耗していたエネルギーが自分に戻り、エネルギーがアップします。
外出しているときより、自分に家にいるときの方が落ち着くのと同じで、時々、意識を自分に向け、自分を感じてあげることは、自分を安定させるために、必要不可欠です。
呼吸に意識を向けるにあたってのコツは、息を吸ったり吐いたりするときに、鼻孔を通る空気を感覚的に感じることです。
息を吸うとき、鼻から入ってくる空気を感じ、吐くときは、出ていく空気を鼻の裏で感じます。入ってくる空気は風のように涼しく、出ていく空気は少し温かいはずです。こうやって、体で感じながら呼吸をすると、雑念が生じにくくなります。
もちろん、そうやってはいても、雑念を完全に防ぐことはできないでしょう。防ごうと思わないでください。雑念は入ってきてもいいのです。入ってくることを許し、入って思念はそっと横に置いて、呼吸の感覚に集中しなおします。
こうして、しばらく呼吸に集中すると、自分の中が静かになり、思考や感情が鎮まって、余白が生まれやすくなります。
その後で、やろうと思ったことに取り掛かってみてください。頭や心がいっぱいいっぱいのときより、スムーズに意志が通り、行動に移しやすくなるはずです。
