盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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17日

過去と未来をよりよくする方法

すでに起こってしまった過去のできごとをよりよく変え、まだ起こっていない未来をよりよく作る秘訣があります。

それは、現在をよりよく変えることです。

過去に起こったこと自体は、時間をさかのぼって戻って変えることはできませんが、過去に対するとらえ方を変えることは可能です。結局、過去に起こったことが、よいか悪いかは、今、自分がその出来事を、いいととらえているか悪いととらえているかによるものです。どう見るかが100%なんですよね。つまり、悪いことだったとみなすのをやめれば、悪い過去ではなくなるということです。そして、それができるのは、いつでも今、現在なのです。

できごと自体はいつもニュートラル。それをどうとらえるかが、その人を取り巻く現実を作るものです。

では、どうやって過去の捉え方を、「悪い」から「いい」に変えたらいいでしょうか。

一つのやり方としては、「そこから何を学んだか」「この体験にどんな意味があるのだろう」と自問することです。どんなにいやな体験でも、探せば、自分の人生をよりよくするための学びが見つかるものです。学びにフォーカスすれば、それが苦しかったとしても、ただの苦しみではなく、建設的な苦しみとなり、いやな体験が、これからの人生で、きれいな花を咲かせるための肥やしになります。また、どんな辛いことでも、そこに意味があれば耐えやすくなるというのは、ナチスドイツ下で3年間強制収容所にとらわれていた、ユダヤ人精神科医の、ヴィクトール・フランクルが身をもって証明したところです。

過去を悪いものととらえるもう一つのコツは、すでに起こったことに、抗うのをやめること。こうあってはならなかった、どうして自分だけこんな目に、という思いは、すでにそうあるものと勝ち目のない争いをしていることになり、葛藤と苦しみ、無益な消耗を生み出すばかりです。その体験に対するネガティブな思いはさらに強化されて、自分の中にこびりつくでしょう。抵抗をやめ、力を抜いて、ありのまま受け入れると、過去の辛かった感情や思いは、もっと早く通り過ぎて行きます。

さらにつけ加えるなら、もし現在、幸せなら、辛い過去を思い出すことも少なくなるはずです。なので、今、この瞬間を心地よく、幸せを感じるようにしていくといいと思います。

今、この瞬間、幸せを感じるというのは、余計な思考に邪魔されなければ、本当は誰にでもできることです。

例え、1000万円の借金があったとしても、今どうしようもないなら、その問題にふけって格闘するのをやめて、目の前にある美しい夕日をうっとり見ることを自分に許可します。そうすれば、その瞬間は、その人は、1000万円あるなしに関わらず、幸福感を味えます。

幸せというのは、いつでも今しか感じられません。3分後に幸せになることはできません。(多くの人が気づかないうちにやっていることですが)今、過去のもう起こってしまったことや、まだ起こってもいない未来を案じて、今を台無しにすることをやめれば、もっと今、幸せを感じることができるのです。

今に最善を尽くし、今を充実させていけば、過去をネガティブにみることも自然に減っていくでしょうが、同じことが、未来をよりよくする秘訣にもなります。

結局、人がなにかを体験できるのは今、現在という時制でしかなく、よって、何かを動かしたり、変化を加えたりすることも、今しかできません。現在に集中して、最善をを尽くせば、未来は必ず、そうしなかったときより、よくなります。

例えば、今、おいしい食事が目の前にあるのに、1000万円の借金のことを考えてて食べていたら、おいしさを感じないまま、気づいたらお皿が空になっているでしょう。せっかく、一流の料理人が心を込めて、いい材料を集めて作った料理であっても無駄になり、自分の身になって、自分の人生に、たとえ少しかもしれないけれども、よい変化を及ぼすという機会を逃してしまいます。

この時、もし、今日のところはどう逆立ちしても返せない借金のことは横に置いておいて、目の前のごちそうに集中したら、もっと目でごちそうのいろどりを楽しみ、おいしく味わえるでしょう。そうしたら、その間は心地よいひと時となり、リラックスさせたり、幸福感を感じさせたりする脳内神経物質がたくさん出て、心や体が、一時でも元気になるでしょう。集中力が増すから、仕事がはかどり、おいしいものを食べて機嫌もよりよくなるでしょうから、人ともにこやかに接することができ、必要な情報が入ってきて、借金を返すためのよい方法にもつながるかもしれません。夜も、ずっと思い悩んでいるよりは、ぐっすり眠れるようになるでしょう。

こうして、今、ここに集中してフルに体験し、最善を尽くす選択をすることで、少し先の未来がよくなるということ。これを続ければ、ドミノ倒し的に未来がよくなっていきます。もちろん、借金を返すため、問題解決のために、今、現在、できることがあれば、他に気を取られたりせず、それに集中して最善を尽くすことが、よりよい未来を作る選択になります。

過去も未来も、実は実態はなく、人の頭の中にある架空の概念にすぎません。実態があるのは今、現在だけなんですよね。人間の集合意識には、過去、現在、未来という時系列の認識が埋め込まれているから、この辺は、なかなか理解するのが難しいところではありますよね。

今回は、今をよいもので満たしていくことが、過去と未来をよりよく変えるカギになるというお話でした。