盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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11日

存在価値について

よく、「自分なんか役に立たない、何もできない、だから存在してはいけないんじゃないか」という人がいます。

こういう人は、自己肯定感が低く、他者に肯定してもらうことで自己価値を埋めようとするため、承認欲求がとても強いことが多いようです。

承認欲求が強い人は、「どうか、ください」と、すがりつくような雰囲気を発するので、かえって人に距離を置かれてしまうことが多いです。だって、「くれ、くれ」とせがまれたら、かえってあげたくなくなることはないですか?「ほしい」と追い回されたら、逃げたくならないですか?

なにをほしいかというと、「人の承認=肯定的な念=愛」なわけです。結局、自己愛がない人は、人からもらおうとして、人に依存してしまうんですね。でも、自分から喜んで与えるのではなく、せがまれて与えるという行為は、エネルギーを消耗して疲れてしまうので、人はこれを無意識に嫌がるわけです。自発的に与える愛は、与えるほうもエネルギーで満たしてくれるので、消耗にはならないんですね。

話を戻しますが、「自分なんか役に立たない。」という人にいいたいのは、役に立たなくてもいい、ということ。役に立つ、立たないという視点を、まず外してください。役に立つ人が価値があって、役に立たない人は価値がないというのはまず真実ではありませんから。そもそも、誰でも時と場合によって、役に立ったり立たなかったりするものです。常にどんな状況でも役に立つ人なんていません。役に立とうが立たなかろうが、生まれてきた以上、誰でも存在していいし、存在価値はあるのです。

「役に立つ」というのを目標に見据えてなにかすると、結局、先に述べた、「人に認めてもらいたい」という承認欲求から物事を行うことになります。それより、ただ、自分がしたいからする、という、自然な喜びの為にするほうが、無理がないと思います。それは、見返りを期待しないで、ただ為すということにつながります。

そして、「何もできないから存在してはいけない」という考えですが、これもシンプルに真実ではありえません。何もできない人なんてそもそもいませんから。誰でも、何かはできるし、できないものもある。究極、例え寝たきりでも、存在している以上、この世界に何らかの意味をもたらすことはできるものです。何かができるから存在価値がある、できなければ存在価値はない、という考えも、やはり手放したほうがいいと思います。それだと、存在価値を証明するために、せっせと業績を上げないといけないことになります。そういう人は常に不安に駆られて何かをし続けるが、決して満足しない人になりがちです。

存在価値は、何をしようがしまいが、何かの役に立とうが立たなかろうが、存在するすべてのものに最初から備わっているものです。存在価値を信じている人は、そもそも、自分に存在価値があるとかないとか、問題にしません。そんなことにとらわれずに、自分の心に従って、自由に生きるのがいいと私は思います。

 

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