盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

ハミングバードは、心理療法カウンセリングのセラピールームです

お問合せ: 019-681-2268 (完全予約制です。ご予約の際は、留守電にご連絡先を残していただくか下記お問い合わせフォームよりメールでご連絡ください。)
☆営業時間:9時~18時  定休日:第二、第四土曜、日曜、祝日

04月

グループセラピー・メンバー募集

ハミングバードでは、月に1度、盛岡市中央公民館で、DBT(弁証法的行動療法)のグループを行っています。これは、一言でいうと、心の苦しみを減らし、幸福感を上げるためのスキルを学ぶグループで、マインドフルネス、対人関係保持、感情調節、苦悩耐性の4つのスキル群から成り立っています。現在、土曜日のグループメンバーを若干名募集中です。次回のグループは21日(土)AM 9時半~11時半に開催予定です。興味がある方は、ご予約・お問い合わせフォームよりご連絡ください。


参考までに、現在参加中のメンバーの方たちのグループのご感想を掲載させていただきます。快くご感想をくださった方、ありがとうございました。

*自分の感情のコントロールの仕方や、良い対人関係の構築の仕方を学べるだけでなく、自分の悩みなどをシェアすることもできて、とてもためになる場所です。(M. M. 様)

*仕事で辛い思いをしていましたが、グループセラピーを受けて学んだことを実践したら気持ちが楽になりました。(A. A. 様)

*私は、家庭の中の問題と職場の人間関係の難しさに悩み、解決できずにいました。少しでも自分自身が楽に生活できればと思い、勉強会に参加し、1年ぐらいが経ちましたが、自然と学んだことが日常に身についてき、役に立っています。とても楽しいグループセラピーです。(S. K. 様)

 

 

 

 

 

 

 

 

心と体を壊すものと癒すもの

この仕事で多くの人を見てきて思うことがあります。

憎しみや妬みや恨みが、いかに人を害するか。

悲しみは、否定的な思いが人に向けられていない分、まだましなのですが、人に向けられた否定的な思いは、それが強烈であればあるほど、場合によっては相手も幾分か害するでしょうが、何よりもその人自身の心身をむしばんでいきます。その思いを発する人は、苦しく殺伐とした気分になるだけでなく、容貌が衰え、病気にもなりやすくなります。おそらく、それらの感情を作り出すために、自分の中にある非常に多くのエネルギーを燃やさなければならないため、エネルギーが枯渇してとても疲れるし、免疫も落ちるのだと思います。否定的な感情のエネルギーというのは不調和で不自然なため、大量に長い間持続させると、有害な影響を自分の心身にもたらします。

自分の苦しみを人や環境のせいにして、人や社会を害するような言葉や行動を強烈に生み出している、負のエネルギーが非常に強い人は、顔つきが近寄りがたい凶悪さを帯びるだけでなく、体の方もだんだん衰弱していくようです。こういう人の奥に垣間見えるのは、たいていとても強い恐れなので、本当はそれに直面して対処しなければならないのですが、本人が自分の内面にある恐れを自覚できるレベルまで覚醒するには、長い道のりを要することが多いようです。なぜなら、こういう人たちは、自分の中ではなく、外の世界ばかり見ようとするからです。

逆に、人を瞬時にして癒しパワーアップするものは、愛の感情です。愛のエネルギーは宇宙と調和的なのです。誰かに対して、思いやりや慈しみ、優しさといった、純粋な愛の感情を抱くと、相手の癒すでしょうが、何より自分自身を癒し、パワーで満たすことができます。自分の中に内在する愛につながると、そのポジティブなエネルギーは身体や脳を駆け巡り、一瞬で波動があがります。波動が上がるというのは、具体的には、「軽い、明るい、柔らかい」という感覚として感じられます。目の前がパッと明るくなり、筋肉がリラックスしてゆるみ、体が軽く感じられるようになります。恨みや妬みを抱いている人が生きている「暗く、重く、固い」世界とは対極の状態です。

今まで苦しみの世界に生きてきた人が、自分の中の愛にアクセスしたことにより、短時間で意識状態が切り替わり、悩みから解放される例を、私はたびたび見てきました。そういう人たちは、別人のように顔が穏やかになり、表情も柔らかくなります。愛の調和的なエネルギーで満たされると、当然、心も体も元気になります。こういう状態にある人は、おのずといい現象を引き付けるので、人生もよりよく変わっていきます。

人生って、結局のところ、自分の心(意識)の持ちようなんだと思います。

 

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原因不明のうつが繰り返される時

あるクライアントさんのケースです。(プライバシー保護のため、詳細は変えてあります。)

彼女はとても前向きで明るい性格です。大学にもバイト先にも友達がたくさんいて、リーダー的存在でした。

ところが、数年前から年に何度か、わけもなくうつ状態に陥るようになりました。いつも些細なきっかけで立ち直るのですが、うつの程度は年々ひどくなり、最近では、無気力になって授業をさぼり単位を落としたり、バイトを無断欠勤したり、発作的に死にたくなったりするようになりました。あるいは、一晩中、ほとんど寝ないでスナック菓子を大量に食べ続けることもあり、ちょっと聞くと躁鬱を疑うような症状が見受けられます。

反復性のうつの場合、もし冬だけに起こるようなら、季節性感情障害(日照時間が短いため、うつになる病気)も考えられるのですが、彼女の場合、発症に決まった時期はないといいます。

そこで、私はふと思いついて、聞いてみました。

「子供時代は幸せでしたか。」

彼女はその質問に、最初は明るい表情のまま、次のような話をしました。

彼女の両親は、幼児期に離婚しており、彼女は実の父親が誰か知りません。母親は小学校の頃に再婚し、義父は母親の目を盗んでは、彼女に暴力をふるい続けました。暴力のエスカレートを恐れ、また、母親に言ったら家庭が壊れると考えた彼女は、体のあざを隠し、何年も誰にも何も言わず、平気なふりをしてきました。

彼女には幼い腹違いの幼い弟がおり、自分は長女だからしっかりしなければならない、弟を守らねばならないという思いで、共働きの親にかわって家事をこなし、表面上は明るく元気に振る舞っていました。親戚や周囲の人は彼女をしっかりしたいい子、頼りになる子だと褒め、彼女はその役割を演じ続けました。

義父の暴力は、顔にあざができたとき問い詰められ、隠し通せずついに発覚し、以来なくなったそうです。

気持ちが落ち込んだ時も、こんな気持ちになる自分は嫌だから明るく振る舞おうと、無理に気分を変え、一人になると悲しみが襲ってくるので、あえて友達と騒ぐように努めていました。

このクライアントさんの場合、原因不明のうつが繰り返される理由は明らかに感情の抑圧です。本当は辛くて仕方がなかったのに、その気持ちを無視して、元気なふりをして生きてきた。これでは、潜在に押し込まれた自分の本当の気持ちが、

「ここにいることにどうか気づいて。ちゃんと見てください。」

とばかりに、認めてもらえるまで強く訴え続けるでしょう。それでも無理やり気を紛らわせ続けると、感情はコントロール不能なレベルまで暴走し、最終的には極度のうつや躁うつになったり、強迫観念症になったり、怒りを抑えられなくなったり、といった心の症状に悩まされるようになります。ひどい場合には幻聴を発症する人もいます。

「本当はとても怖かったし、寂しかったでしょう。」

と私がいうと、それまで元気そうに振舞っていた彼女は号泣し、

「そうだったんだ。私は寂しかったんだ。」

と、そこで初めて見ないようにしていた自分の気持ちに気づいたのでした。

どんな感情でも、ちゃんとそれを認識し、感じてあげると、やがては消滅します。反対に、見ないようにすると、自分の中に閉じ込められたまま、感情は持続し、その感情が強ければ強いほど、また、抑圧期間が長ければ長いほど、痛みは増していき、解消するのが困難になります。

自分の内面と、外側でどう振る舞うかという外面に、ギャップがあればあるほど、心というものは苦しくなります。ギャップがない人は、いわゆる自然体の人なのですが、矛盾がないので生きるのがより容易になり、自然な気持ちを素直に表現する為に感情に滞りができにくく、なにかあって落ち込んだとしても、切り替えも早いでしょう。

このクライアントさんは、たくさん泣いた後、すっきりして軽くなった、今まで他のことで紛らわせていたのが、本当は心の癒しにはなってはいなかったとわかったと言い、笑顔で帰っていきました。一度のセッションで彼女の未解消の感情がすべて解消されたとは思いませんが、少なくとも今後は心の声を無視するようなことはせず、もっと上手に自分の感情を扱うことができるようになるでしょう。

身体の傷が、ちゃんとそこにあることを認識し手当してあげないと癒えないように、心の傷も、痛くてもちゃんと直面して見ないことには、癒すことができません。このクライアントさんはそれが今回身に染みてわかったので、もう逃げないはずです。原因と正しい対処法を知ったことで、彼女の反復性のうつは、今後よくなっていくだろうと思います。

 

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関心と意識

人は、良くも悪くも、関心のあるものに意識を吸い寄せられます。 

恐れも、嫌いも、一種の関心です。 

不安が強い、とあるクライアントさんが言っていたことですが、ネットで、自分に当てはまるであろうネガティブな記述を見ると、ついつい見てしまう。そして落ち込んでしまうそうです。 

見なければいいのに、なぜ見てしまうかというと、それがこの人がイヤだ、怖いと強く意識しているものだからです。 

「何を意識しているか」が、その人の住む世界を作り上げます。 

ちなみに、波長が違うというのは、普段、意識している領域が違うということです。 

普段から、平和で、楽しく穏やかなものが好きな人で、本やテレビでもそういうものを好んで見て、普段の会話でもそういう内容の話をし、頭の中でもそういうことを考えている人は、詐欺師とか、殺し屋とか、麻薬密売人とは、違う世界に住んでいます。波長が違うから、まず日常生活では接点がないし、出会わない。仮にであったとしても、話が合わないので、お互いにひかれあわず、深い関わり合いを持つことはないでしょう。 

話が少しそれましたが、つまり、不安とか恐怖の世界に住んでいる人は、不安なもの、怖いものに強い否定的な関心を持ち、それゆえ、不安や恐怖の対象に頻繁に焦点を合わせて暮らしているということです。 

その現実を変えたければ、少しずつでもいいから、きれいなもの、楽しいもの、ありがたいもの、優しい気持ちにさせてくれるものを、日々の生活の中で探すこと。そして、始めは短時間でもいいから、それに意識を向けることです。 

そうすると、慣習的になっていた意識のフォーカスが、少しずつ是正されていき、徐々に普段の気分も変わってくるはずです。癖を直すのは反復が必要です。一昼一夜では変化はないでしょうが、地道に訓練していけば、気づいたら不安が少なくなって、明るい気持ちでいることが増えていた、という結果になると思います。

 

 

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