盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

ハミングバードは、心理療法カウンセリングのセラピールームです

お問合せ: 019-681-2268 (完全予約制です。ご予約の際は、留守電にご連絡先を残していただくか下記お問い合わせフォームよりメールでご連絡ください。)
☆営業時間:9時~18時  定休日:第二、第四土曜、日曜、祝日

2016年

グループセラピー・ご感想

グループセラピーのご感想を新たにいただきましたので、掲載させていただきます。

 

☆最初は心理学を学びたく参加していましたが、回数を重ねていくうちに、自分の心までほぐれていき、いろんな感情に気づかされました。Chikaさんの教え方は分かり易くすぐ身につきます。これからも続けて身近な人たちにも伝えていけたらと思います。

                                       (S.N.さま)

 

☆私は、自分たちの感情の扱い方や、心のしくみについて学んでみたいと思い、ハミングバードのメンバーにしていただきました。

 いままでに「慢性的不安への対処」「感情の扱い方」「対人関係保持スキル」「マインドフルネス」等、それぞれのテーマに従って多くの知識と具体的な活用法を学んできました。 

 重いテーマの割には、やさしくステキな先生方がなごやかに進行してくれるので、参加してとても楽な気分になります。アメリカでも豊富な臨床経験をされている先生ならではの驚きのエピソードを聞くことができたり、数々のリラクゼーションの体験ができることも楽しみです。自分の心の中で、こんがらがって心を縛り付けている紐を少しずつほどいて行ったり、思いっきり空回りしている心に、そっとやさしい声をかけて休ませてあげたり、無理なく「しかたないね」が言えたりとか、いろいろな体験をすることができました。

 他のメンバーもそれぞれの体験を得ていると思います。

 私たちの勉強も1年半以上たちました。その間にメンバーの中には、はた目にも素晴らしい変化をみせてくれる人たちがいます。

 私も地味ですが自分では内面が変化していると確かに感じています。自分の心の呼吸を自分のものとして味わい感じる感覚をつかみかけています。それは自然で楽な気分の日常生活につながるものです。

 普段の生活の中では、なかなか得ることのできない素晴らしい勉強会に参加できていることを本当にラッキーだと感じています。

                                      (A.熊谷さま)

 

素敵な感想を本当にありがとうございました。

グループセラピーは、引き続き、土曜に加え、日曜のメンバーも若干名募集中です。興味がある方はご連絡お待ちしております。                          
  

 

 

 

 

 

 

 

気の回路の接続先

自分の気(エネルギー)をどこに注いだか振り返るのを毎日の習慣にしよう。

気が体を離れているときにどう感じるかに注意を払い、なぜ、どこに行ってしまったのかを評価してみるのだ。

もしも自分の気を流出させてしまうような対象にくっついていたら、そこから自分を「切り離す」よう命ずる。

体から気が流出しているとき、逆に体内に入ってきているときの流れを感じ取ることを学ぶ。

それは意識するだけでできることだ。

怒ったり、恐れを感じたりして、気が出て行ってしまっているときの感触はもう知っているだろう。

即座に体が弱くなるのをかんじるはずだ。

激しい頭痛や腰痛になってしまう人もいる。体の症状は、どんなものであっても、エネルギーを失っている信号だと解釈しよう。

自分から積極的に行動にでるには、まず気の回路を力と光で満たしてくれるポジティブなものに向けることだ。

(「チャクラで生きる」キャロライン・メイス著 川瀬勝訳 サンマーク文庫)

 

何かに気を取られているとき、私たちは、文字通り、「気を取られて」います。キャロライン・メイスの言葉を借りると、「エネルギーを流出させている」ということです。

わかりやすい例でいうと、一緒にいて、疲れる人と、元気になる人がいますね。疲れる人は、たいてい、自分がエネルギー不足なため、無意識に周りからエネルギーを吸い取って補給しようとしている人です。こういう人といると、気を奪われるので疲れます。具体的に言うと、人の話を聴かないで一方的にしゃべる人、自慢する人、人を力で支配しようとする人、犠牲者の役割を演じて、人の関心を引こうとする人など。また、例えいい人であっても、性質や好みが違いすぎて「気が合わない」人と一緒にいると、異質なものに無理に合わせようとして「気を使う」ので、疲れます。

前向きで力強い、あるいは穢れのない清浄なエネルギーに満ちた人は、周りにもエネルギーを与えてくれるので、一緒にいると、元気になったり癒されたりします。

一緒にいない時でも、その人のことを考えるだけで、私たちの気は身体から流出して消耗したり、反対に気をもらって元気になったりします。なので、誰かに憎しみや恨みを抱くと、損なのです。憎しみや恨みの感情が、気を奪う相手と自分をくっつける接着剤の役割を果たすので、その人のことをついつい考えて「気を取られ」やすくなり、私たちはエネルギーを失って心身ともに消耗してしまうことになるからです。これは、対象が人でなくても同じです。恐れもまた、強力な接着剤になるので、恐れの対象、すなわち不安に思うことを延々考えて、エネルギーを消耗させてしまうことになります。

どうせなら、元気をもらえる対象に、気の回路を接続したほうがずっと得ですね。そういう対象として選ぶのは、必ずしも生きている人に限らず、歴史上の人物でも、想像上の存在でもOKです。困難を切り抜けて成功した人、気高い存在、花や木、川、星、太陽などの自然に属するものからは、パワフルなエネルギーや清らかなエネルギーをもらうことができます。

「気の回路を力と光で満たしてくれるポジティブなものに向ける」方法として、キャメロン・メイスは、下記の例をあげています。

A)信仰の対象(聖人など)や、太陽、その他大自然を表すものと回路がつながるようすを思い浮かべる。

B)呼吸を使って、回路をつなげたり、切り離したりする。  

1)息を吸うとき、自分の気を奪っている対象からそれを取り戻していると想像する。

2)息を吐くまえに、力と強さを表す象徴を思い浮かべる。

3)その象徴と融合し、それが常に自分に流れ込んでくるよう、意図しながら、息を吐く。

呼吸というのは、気をコントロールするのにとても重要な役割を果たすので、是非、取り入れてみてください。ちなみに、私は上記の通りではなく、吸うときに自分の中にいいものを取り入れるようにし、吐くときにいらないものを手放すようイメージする方が好きです。自分がやりやすいように実践してみてください。

 

 

 

グループセラピー・メンバー募集

ハミングバードでは、月に1度、盛岡市中央公民館で、DBT(弁証法的行動療法)のグループを行っています。これは、一言でいうと、心の苦しみを減らし、幸福感を上げるためのスキルを学ぶグループで、マインドフルネス、対人関係保持、感情調節、苦悩耐性の4つのスキル群から成り立っています。現在、土曜日のグループメンバーを若干名募集中です。次回のグループは21日(土)AM 9時半~11時半に開催予定です。興味がある方は、ご予約・お問い合わせフォームよりご連絡ください。


参考までに、現在参加中のメンバーの方たちのグループのご感想を掲載させていただきます。快くご感想をくださった方、ありがとうございました。

*自分の感情のコントロールの仕方や、良い対人関係の構築の仕方を学べるだけでなく、自分の悩みなどをシェアすることもできて、とてもためになる場所です。(M. M. 様)

*仕事で辛い思いをしていましたが、グループセラピーを受けて学んだことを実践したら気持ちが楽になりました。(A. A. 様)

*私は、家庭の中の問題と職場の人間関係の難しさに悩み、解決できずにいました。少しでも自分自身が楽に生活できればと思い、勉強会に参加し、1年ぐらいが経ちましたが、自然と学んだことが日常に身についてき、役に立っています。とても楽しいグループセラピーです。(S. K. 様)

 

 

 

 

 

 

 

 

心と体を壊すものと癒すもの

この仕事で多くの人を見てきて思うことがあります。

憎しみや妬みや恨みが、いかに人を害するか。

悲しみは、否定的な思いが人に向けられていない分、まだましなのですが、人に向けられた否定的な思いは、それが強烈であればあるほど、場合によっては相手も幾分か害するでしょうが、何よりもその人自身の心身をむしばんでいきます。その思いを発する人は、苦しく殺伐とした気分になるだけでなく、容貌が衰え、病気にもなりやすくなります。おそらく、それらの感情を作り出すために、自分の中にある非常に多くのエネルギーを燃やさなければならないため、エネルギーが枯渇してとても疲れるし、免疫も落ちるのだと思います。否定的な感情のエネルギーというのは不調和で不自然なため、大量に長い間持続させると、有害な影響を自分の心身にもたらします。

自分の苦しみを人や環境のせいにして、人や社会を害するような言葉や行動を強烈に生み出している、負のエネルギーが非常に強い人は、顔つきが近寄りがたい凶悪さを帯びるだけでなく、体の方もだんだん衰弱していくようです。こういう人の奥に垣間見えるのは、たいていとても強い恐れなので、本当はそれに直面して対処しなければならないのですが、本人が自分の内面にある恐れを自覚できるレベルまで覚醒するには、長い道のりを要することが多いようです。なぜなら、こういう人たちは、自分の中ではなく、外の世界ばかり見ようとするからです。

逆に、人を瞬時にして癒しパワーアップするものは、愛の感情です。愛のエネルギーは宇宙と調和的なのです。誰かに対して、思いやりや慈しみ、優しさといった、純粋な愛の感情を抱くと、相手の癒すでしょうが、何より自分自身を癒し、パワーで満たすことができます。自分の中に内在する愛につながると、そのポジティブなエネルギーは身体や脳を駆け巡り、一瞬で波動があがります。波動が上がるというのは、具体的には、「軽い、明るい、柔らかい」という感覚として感じられます。目の前がパッと明るくなり、筋肉がリラックスしてゆるみ、体が軽く感じられるようになります。恨みや妬みを抱いている人が生きている「暗く、重く、固い」世界とは対極の状態です。

今まで苦しみの世界に生きてきた人が、自分の中の愛にアクセスしたことにより、短時間で意識状態が切り替わり、悩みから解放される例を、私はたびたび見てきました。そういう人たちは、別人のように顔が穏やかになり、表情も柔らかくなります。愛の調和的なエネルギーで満たされると、当然、心も体も元気になります。こういう状態にある人は、おのずといい現象を引き付けるので、人生もよりよく変わっていきます。

人生って、結局のところ、自分の心(意識)の持ちようなんだと思います。

 

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原因不明のうつが繰り返される時

あるクライアントさんのケースです。(プライバシー保護のため、詳細は変えてあります。)

彼女はとても前向きで明るい性格です。大学にもバイト先にも友達がたくさんいて、リーダー的存在でした。

ところが、数年前から年に何度か、わけもなくうつ状態に陥るようになりました。いつも些細なきっかけで立ち直るのですが、うつの程度は年々ひどくなり、最近では、無気力になって授業をさぼり単位を落としたり、バイトを無断欠勤したり、発作的に死にたくなったりするようになりました。あるいは、一晩中、ほとんど寝ないでスナック菓子を大量に食べ続けることもあり、ちょっと聞くと躁鬱を疑うような症状が見受けられます。

反復性のうつの場合、もし冬だけに起こるようなら、季節性感情障害(日照時間が短いため、うつになる病気)も考えられるのですが、彼女の場合、発症に決まった時期はないといいます。

そこで、私はふと思いついて、聞いてみました。

「子供時代は幸せでしたか。」

彼女はその質問に、最初は明るい表情のまま、次のような話をしました。

彼女の両親は、幼児期に離婚しており、彼女は実の父親が誰か知りません。母親は小学校の頃に再婚し、義父は母親の目を盗んでは、彼女に暴力をふるい続けました。暴力のエスカレートを恐れ、また、母親に言ったら家庭が壊れると考えた彼女は、体のあざを隠し、何年も誰にも何も言わず、平気なふりをしてきました。

彼女には幼い腹違いの幼い弟がおり、自分は長女だからしっかりしなければならない、弟を守らねばならないという思いで、共働きの親にかわって家事をこなし、表面上は明るく元気に振る舞っていました。親戚や周囲の人は彼女をしっかりしたいい子、頼りになる子だと褒め、彼女はその役割を演じ続けました。

義父の暴力は、顔にあざができたとき問い詰められ、隠し通せずついに発覚し、以来なくなったそうです。

気持ちが落ち込んだ時も、こんな気持ちになる自分は嫌だから明るく振る舞おうと、無理に気分を変え、一人になると悲しみが襲ってくるので、あえて友達と騒ぐように努めていました。

このクライアントさんの場合、原因不明のうつが繰り返される理由は明らかに感情の抑圧です。本当は辛くて仕方がなかったのに、その気持ちを無視して、元気なふりをして生きてきた。これでは、潜在に押し込まれた自分の本当の気持ちが、

「ここにいることにどうか気づいて。ちゃんと見てください。」

とばかりに、認めてもらえるまで強く訴え続けるでしょう。それでも無理やり気を紛らわせ続けると、感情はコントロール不能なレベルまで暴走し、最終的には極度のうつや躁うつになったり、強迫観念症になったり、怒りを抑えられなくなったり、といった心の症状に悩まされるようになります。ひどい場合には幻聴を発症する人もいます。

「本当はとても怖かったし、寂しかったでしょう。」

と私がいうと、それまで元気そうに振舞っていた彼女は号泣し、

「そうだったんだ。私は寂しかったんだ。」

と、そこで初めて見ないようにしていた自分の気持ちに気づいたのでした。

どんな感情でも、ちゃんとそれを認識し、感じてあげると、やがては消滅します。反対に、見ないようにすると、自分の中に閉じ込められたまま、感情は持続し、その感情が強ければ強いほど、また、抑圧期間が長ければ長いほど、痛みは増していき、解消するのが困難になります。

自分の内面と、外側でどう振る舞うかという外面に、ギャップがあればあるほど、心というものは苦しくなります。ギャップがない人は、いわゆる自然体の人なのですが、矛盾がないので生きるのがより容易になり、自然な気持ちを素直に表現する為に感情に滞りができにくく、なにかあって落ち込んだとしても、切り替えも早いでしょう。

このクライアントさんは、たくさん泣いた後、すっきりして軽くなった、今まで他のことで紛らわせていたのが、本当は心の癒しにはなってはいなかったとわかったと言い、笑顔で帰っていきました。一度のセッションで彼女の未解消の感情がすべて解消されたとは思いませんが、少なくとも今後は心の声を無視するようなことはせず、もっと上手に自分の感情を扱うことができるようになるでしょう。

身体の傷が、ちゃんとそこにあることを認識し手当してあげないと癒えないように、心の傷も、痛くてもちゃんと直面して見ないことには、癒すことができません。このクライアントさんはそれが今回身に染みてわかったので、もう逃げないはずです。原因と正しい対処法を知ったことで、彼女の反復性のうつは、今後よくなっていくだろうと思います。

 

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関心と意識

人は、良くも悪くも、関心のあるものに意識を吸い寄せられます。 

恐れも、嫌いも、一種の関心です。 

不安が強い、とあるクライアントさんが言っていたことですが、ネットで、自分に当てはまるであろうネガティブな記述を見ると、ついつい見てしまう。そして落ち込んでしまうそうです。 

見なければいいのに、なぜ見てしまうかというと、それがこの人がイヤだ、怖いと強く意識しているものだからです。 

「何を意識しているか」が、その人の住む世界を作り上げます。 

ちなみに、波長が違うというのは、普段、意識している領域が違うということです。 

普段から、平和で、楽しく穏やかなものが好きな人で、本やテレビでもそういうものを好んで見て、普段の会話でもそういう内容の話をし、頭の中でもそういうことを考えている人は、詐欺師とか、殺し屋とか、麻薬密売人とは、違う世界に住んでいます。波長が違うから、まず日常生活では接点がないし、出会わない。仮にであったとしても、話が合わないので、お互いにひかれあわず、深い関わり合いを持つことはないでしょう。 

話が少しそれましたが、つまり、不安とか恐怖の世界に住んでいる人は、不安なもの、怖いものに強い否定的な関心を持ち、それゆえ、不安や恐怖の対象に頻繁に焦点を合わせて暮らしているということです。 

その現実を変えたければ、少しずつでもいいから、きれいなもの、楽しいもの、ありがたいもの、優しい気持ちにさせてくれるものを、日々の生活の中で探すこと。そして、始めは短時間でもいいから、それに意識を向けることです。 

そうすると、慣習的になっていた意識のフォーカスが、少しずつ是正されていき、徐々に普段の気分も変わってくるはずです。癖を直すのは反復が必要です。一昼一夜では変化はないでしょうが、地道に訓練していけば、気づいたら不安が少なくなって、明るい気持ちでいることが増えていた、という結果になると思います。

 

 

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アメリカの3・11

5年前の3月11日、私はまだアメリカに住んでいました。

当時、テレビを見ない生活を送っていた私は、東日本大震災のことも知りませんでした。(ちなみになぜテレビを見なかったかというと、当時、悲惨なドラマやニュースさながらの壮絶な話を聴くのが日常だったため、オフの時までメディアに触れてそういう話にさらされたいと思わなかったからです。)

その頃、私の車での通勤ルートに、何十年もホームレスだった、あるクライアントさんの住むアパートがありました。彼は筋金入りのアルコール依存症で、初めて会った頃は砂漠の真ん中に寝て暮らしていました。その時は彼はまったく希望がない状態で、鬱がひどく、差し迫った希死念慮もあり、実行するためのピストルも砂漠に隠し持っていたので、とても危ない状態でした。でも私たちのカウセリングエージェンシーに来るようになって、精神療法やデイプログラムに加え、ケースワーカーもついて、ハウジングプログラム(無料で家をあてがうプログラム)に加入させることができ、なんとか人並みの生活ができるようになっていた人でした。(確か精神科医の薬物療法は拒否し、受けていなかったように記憶しています。)

彼は私が通勤する時間になると、いつもアパートの前に立ち、私が通る車に合図をするのが日課でした。2011年3月11日、いつものように朝、通りすがりながら彼を見たのですが、この日はいつもと違って、頭の上で大きく手を振って、今思えば、私に一生懸命合図を送っていたのです。

それから15分後、出勤して朝の準備をしていた私のオフィスに、このクライアントさんから電話が入りました。

「チカ、大変だ。日本で大地震が起こった。それだけ知らせようと思って。チカの家族や友達は大丈夫か?」

この人は電話を持っていなかったのですが、知り合いの電話を借りてかけてくれたのでした。その時、私は日本でどれほど大変なことが起こっているか知る由もなく、彼の知らせを受けても、

「日本の地震ならこっちでも時々報道されるけど、いつもたいしたことないから、今度も大丈夫だろう。」

と楽観的にとらえていました。想像をはるかに超えた規模の地震と津波が、私の母方の親戚たちの住む東北沿岸を襲ったことを知ったのは、その日、仕事が終わって帰宅してからでした。

岩手の沿岸に住むいとこに連絡を取ろうとしてもつながらず、その後、私は毎日、空いている時間はインターネットで親戚の安否確認をするのに費やしました。1週間ほどたって、津波の時刻仕事で陸前高田にいた、一番心配していたいとこの生存が確認できたときは、とても安堵したのを覚えています。

アメリカでも、東日本大震災は大ニュースでした。同僚も心配してくれましたが、それよりも、自分自身とても辛い思いをしているはずのクライアントさんたちのほうが、本当に親身になって心配してくれたのには、心を打たれました。

ある男性の重症のクライアントさんは、生活保護を受けており、お金の心配をいつもしているのにも関わらず、

「チカ、今日、赤十字に20ドル寄付しにいったよ。日本の人たちのことを考えたら、いてもたってもいられなかったよ。お気の毒になあ。」

と、涙を流してくれました。この人は不安が強く被害妄想的で、かつ、事故の後遺症で慢性的な痛みを抱えている人だったので、カウンセリングに来てもいつも怒った顔をしていて不機嫌な人だったのですが、本当はとても優しい心をもった人だったのです。

東日本大震災は、世界中の人の善意や祈りが国境を越えて、日本に集まった時でもあったと思います。そして、自分が傷ついて、辛い思いをしたことのある人のほうが、他人に対して優しくあり得るものです。思いやりは人と人をつなぎ、双方の心を満たします。憎しみや争いや競争が、人と人を切り離し、双方の心を荒ませるのとは真逆に。

震災で亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、生きておられる被災者の方のお気持ちも癒されるようにお祈りいたします。

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形から入る

気分を変えたかったら、形から入るのもひとつの手です。

例えば、自信がなく弱気になっているときは、あたかも自信にあふれているかのような姿勢や目線をしてみる。具体的には、背筋を伸ばして胸を張り、顎を引いて、まっすぐに前を見る。相手がいれば相手をを堂々と見つめる。そうすると、なぜか、自信がわいてきたりすることがあります。少なくとも、肩や目線を落とすポーズよりは、自信が出てくるでしょう。気分がいいときでも、肩や目線を落とすと、人はネガティブなことを考えやすくなります。

穏やかな気分になりたいときは、表情筋を柔らかくし、口角を少しあげて、少し微笑むようにすると、顔の変化に従って、気分も柔和になりやすくなります。顔の表情をコントロールすることにより、ある程度は、気持ちのコントロールも可能だということです。逆に、顔の筋肉をこわばらせて眉間にしわをよせると、体の筋肉もそれに従って緊張するので、楽しい気分にはなりにくいでしょう。

ちなみに、穏やかな笑みを浮かべた表情は、周りの人たちの好意を引きつけるので、いいことが起こりやすくなるというおまけがついてきます。逆に、いつも怖い顔をしていると、普通の人には避けられ、同じように怖い顔をした人の敵意を引き付けやすくなるので、人生に不快なことが増えていくでしょう。

形(姿勢や表情)を変えるというのは、簡単なようですが、継続すれば結構奥深い変化をもたらすものだと思います。

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心のエネルギー

心とか、精神というのは、目に見えないけれど、エネルギーを持っています。

抑うつ状態は、心のエネルギーが停滞した状態。本来、流れて変化しつづけるべきものの動きが鈍って、淀んでしまった状態です。感情を長い間抑圧したり、ストップ(麻痺)させたりすると、この状態になります。

怒りは、エネルギーの噴出。噴火山の爆発みたいなものです。マグマと同様、怒りを熱く体感し、色で表すと「赤黒い」と感じる人が多いです。マグマと同じで、すでに生まれてしまったエネルギーは、外に出さないよう抑えてしまうと、それだけ圧が強くなり、噴火するとき、爆発になってしまいます。爆発はたいてい破壊をもたらします。そうならないよう、ためないで小出しにする、その場合も、怒りの対象者ではなく、第三者に話を聞いてもらうなどして、安全な出し方をする、というのがいいかと思います。また、量は同じでも、エネルギーの質を変えて表現すると、上手に処理することができる場合もあります。例えば、被害者やその家族が、怒りや憎しみを変換して、社会活動にエネルギーを費やしたり、作家や芸術家が、作品を生み出すエネルギーにしたりするのは、フロイトのいうところの「昇華」であり、破壊的ではなく建設的なエネルギーの使い方ですね。

悲しみも同様です。悲しみの感情は、泣いたりして表現し、外に出せば、エネルギーの表出になり、流れと変化が生まれて、やがて消えていくのですが、我慢して抑えてしまうと、心の停滞を生み、うつに転じることが多いようです。

最後に、不安は心のエネルギーをとても浪費する感情です。不安症の人を見ていると、必要なことにエネルギーを使わないで、無駄なことに多くのエネルギーを費やしていることに気づきます。だから、とても疲れるわりに、現実に変化が起こりにくい。ああなったらどうしよう、とあれこれ考えて、動けなくなり、必要な一歩が踏み出せないのは、その典型です。ひどい場合は、明日、用事があるから早く寝たほうがいいのに、すでにきれいな部屋の掃除を、寝ないで一晩中する人もいます。こういった強迫神経症的な行動の裏にも、強い不安が隠れていたりします。不安は、意識が現在ではなく、未来に行き過ぎるために起きることが多いので、先のことを考えすぎないで、マインドフルに生きる、つまり、「今、ここ」に意識を集中して生きることで、浪費を防いでエネルギー効率をよくすることが可能になります。ただし、寝ないできれいな部屋を夜中に掃除するような人は、目かくして見ないようにしている心の傷から逃れようとしている場合がよくあるので、マインドフルネスのような心のコントロール法と並行して、その傷の手当てをちゃんとしてあげる必要があるかもしれません。

今回は、思いつくままにいろいろ書いてみましたが、今後、心のエネルギーに関しては、量子力学の観点からも、質と量のある実態として、色々なことが明らかになってくるのではないかなあ、などと思っています。

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ご連絡

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お申し込み後、2日たってもこちらからの返信がない場合、お手数ですが、PCメールを記載の上、改めてお申込みいただくか、お電話でお申し込みいただけますよう、お願いいたします。お電話には仕事中で出られないことが多いですが、留守電にお名前とお電話番号を残していただければ、折り返しご連絡させていただきます。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

*日差しがあると、気温1~2度でも暖かく感じます。よく晴れた日には、猫たちや植物も窓辺でひなたぼっこを楽しみます。

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