盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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05日

社会に適応する力の育て方

社会に適応する力を育てるポイントについてお話しします。
もちろん、障がいがあってもなくても、やることは同じです。

社会に適応する力と言いましても、色々あると思いますが、今回は、集団生活に適応するために必要なルールを守る力についてお話しします。

この力を育てるには、三つの段階を踏まなければなりません。
一つ目は、周囲の状況を理解する力を育てる
二つ目は、望ましい行動を判断する力を育てる
三つ目は、とるべく行動を実践できる力を育てる

段階という言葉を使いましたが、これらの力は、段階を踏んで身に付いていくものなのです。
つまり、一つ目の力が育たなければ、二つ目の力は育たず、二つ目の力が育たなければ、三つ目の力は育たない、ということです。

一つ目の力について

周囲の状況を理解していないと、自らどのような行動をとったらいいかは判断できません。

この力を促すためには
例えば、
「◯◯ちゃんは、何しているのかな?」
「そうだね。ブランコ乗ってるね。」
「あれー、お友だちがいっぱい並んでるね。」
「何で並んでいるかな?」
などと、周囲の状況を会話を通して確認してあげると、漠然としていた理解がより明確になったり、気付かない点に気付いたりします。
興味があるものだけが目に入り、目標物に一目散に駆け付ける子どもさんの場合は、ストップをかけて、周囲に気付くよう促さなければなりません。但し、この場合、それ以前に、「ストップ」という言葉に従う力を育てる必要があります。

「うちの子どもは、何度言い聞かせても言うことをきかないのです。」という相談を受けることがあります。自分の欲求が優先されて言うことをきかないということもありますが、実は、周囲の状況を理解していない場合が多いのです。

二つ目の力について

最初から適切に判断することは難しいです。前述のような会話の流れの中で、「どのような判断をすれば良いのか」「何故、そうするのか」について教えると良いでしょう。

三つ目の力について

自分の欲求と闘いつつも、望ましい行動をとれることが求められます。

子どもが自分の欲求を抑え、望ましい行動をとる時はどういう時でしょう。先生に叱られるとわかっている時でしょうか?

違いますね。
前述のブランコの例で考えますと
他のお友だちも自分と同じように、早くブランコに乗りたいと思っていることを知っていることと、待てば必ずブランコに乗れるという保証があるからです。
この点を「並ばないと先生に叱られるよ。」などと誤った判断を擦り込むと、先生に叱られるか否かが順番待ちをするかしないかの判断になってしまうので気を付けましょう。

望ましい行動をとったら、必ず、拍手をしたり、OKサインを出したり、「よくできました。」と言葉で伝えるなど、その行動が望ましいことを本人にわかるように伝えてあげましょう。ルールを守る力が確実に身に付く大切なポイントなので、心にとめていただければと思います。

適切に判断し、望ましい行動をとる力は、集団生活の中でお友だちや先生に注意されたり、友だち同士で喧嘩しながら身に付いていくものだと思います。
しかし、時に、判断が曖昧なまま、お友だちの見様見真似で行動している場合があります。そのようなことが続くと、自分に自信が持てなくなったり、様々な選択を自分の意思ではなく、他者の意思に依存するくせがついたりします。

これらの力が曖昧に身に付いているかどうかは、「いつもならできるのに、今日はできない」あるいは「できる時とできない時のムラがある」などの症状で気づいたりします。

集団生活のルールは、集団生活の中で身に付くことが多いものですが、ご家庭でも、三つの段階を意識し、それらの定着状況に注意を向けていただけたらと思います。

 

                                                                                                                         (佐々木智恵)

日常の苦痛を減らす方法

今日は、日常生活のちょっとした苦痛を減らし、より快適に生きるためのコツについて、書いてみたいと思います。

それは、「何かをするとき、イヤイヤしない。」ということ。

どっちにしてもやらなければならないことだったら、抵抗して「嫌だなあ」と思ったりせず、ただ、淡々とやる、ということ。

そのためには、「思い切って受け入れる」というちょっとした覚悟が必要になります。これは、マインドフルネスという、もともとは仏教の禅の思想から来ており、今ではアメリカで鬱や不安障害、境界性人格障害等の治療に、心理療法として幅広く用いられているスキルの1つです。

例えば、私はネコを飼っていて、キャットフードの缶とか、それを入れたお皿を、毎日洗わなければならないのですが、魚の生臭いにおいがするから、その仕事は正直好きではありません。でも、それはやる必要のある仕事です。

どっちにしてもネコ缶やお皿を洗うのなら、私には2つの選択肢があります。

1.「嫌だなあ。生臭いなあ。」と思いながら、イヤイヤ、洗う。
2. 四の五のいわずに、ただ、洗う。

嫌だと思いながらなにかをやるというのは、実は本人の選択なんですよね。選択肢があるということは、コントロール権が自分にあるということ。自分で、苦しみを増やす状況を作るか、そうでないかを、選ぶことができるということ。

「ネコ缶とお皿を洗う」という作業に、「嫌だなあと思う」を付け加えると

「嫌だと思う」+「ネコ缶とお皿を洗う」=「嫌な仕事をする」となり、付加価値がついて、苦痛が増すんです。

ここで、嫌だと思わずに、この仕事を潔く受け入れよう、と思うと、ただ、「ネコ缶をお皿を洗う」という労力だけですみ、精神的苦痛は前者よりもずっと減るわけです。

この裏には、実は、「抵抗すれば苦痛が増す」という真理が隠されています。

なにかに抵抗して暴れると、その分、身も心も疲れますよね。それで嫌なことが起こらなくて済むなら、抵抗して暴れる価値もあります。でも、どのみち防ぎようがないこと、やらなくてはならないことであれば、無駄な抵抗をやめ、すすんで行ったほうが、いらない苦痛を感じなくてすむのです。

イヤイヤ物事を行うと苦痛が増す。そしてそれは自分次第でやめられる。避けられないことは、思い切って受け入れて、嫌がらずにすすんでする。このへんを認識して実行すると、日常の苦痛がかなり減って、楽になると思うので、よかったら試してみてください。

                                           Chika

 

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