盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

ハミングバードは、心理療法カウンセリングのセラピールームです

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2014年

9月7日の盛岡セミナーを終えて

9月7日、サンライフ盛岡で、「感情の扱い方、心の癒やし方」と題して、セミナーを開催しました。

今回は、あまり事前に告知ができなかったのですが、それでも17名の方にご参加いただき、中には早起きして遠くから来てくださった方も何名かいらっしゃいました。ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

今回参加予定だったけれど、当日都合がつかなくなってキャンセルされた方が5~6名おられ、次回はいつやりますかとお問い合わせいただいているので、同じ内容でもう一度開催するかどうか、検討してみようと思います。開催する際は、またホームページ上でお知らせしますので、よろしくお願いいたします。

今回は2時間半の長丁場だったのですが、複数の方から「あっという間でした」「リラックスできました」というお声をいただきました。

今回、会場では、BGMにリラクセーションの音楽を小さくかけていたのですが、やはり音の力は大きいと感じます。音や香りは、空気と同様、風の性質を持ち、空間に作用して、場のエネルギーを変える力があります。

みなさん、熱心に集中して聴いてくださり、おかげさまで会場がいい雰囲気に包まれていたと思います。セミナーでは、話し手と聴衆が相互に影響し合って、場の雰囲気を作り出しますから。

余談ですが、以前ご参加いただいた方で、今回もいらっしゃった方がおられて、少しお話をしました。彼女はもともとお顔立ちがきれいな方ではあったのですが、今回はより一層光輝くような表情で、雰囲気が洗練され、とてもいい方向に変わっていらっしゃったのが一目でわかりました。伺ってみると、いろいろと心に疲れがたまっていたことに気づいたので、ここ数か月で、過去にさかのぼって自分を振り返り、全部書き出してみて、いらないものは断舎利されたのだそうです。辛い作業ではあったけれど、そのあととてもすっきりして元気になったと話しておられました。つまり、心の大掃除をして、いらないものをゴミだししたら、阻害するものが無くなって風通しがよくなり、もともと彼女が持っておられた光が、外にあふれて輝きだしたということだと思います。とても賢明で、素晴らしい方だと思いました。

問題が起きたとき、周囲の人や環境にばかり目をやり、責めていると、状況はまずよくなりません。一時的に解決したように見えたとしても、同じような問題がまたいずれ降りかかってくるのがおちです。これに対して、自分を見つめなおし、自分の中に原因を探して、自分自身を変えようと努力する人は、その問題のテーマから抜け出すことができ、もっと完全な意味で、快方へと向かいます。

インナーワーク(内面を見つめる自分作業)は、辛かったり痛かったりするので、楽な作業ではないのですが、これをちゃんとやった方は、必ず心が回復して、よくなっていくということを、私は臨床経験から確信しています。ただし、その際、自分を責めて罪悪感にとらわれたり、自己憐憫の落とし穴にはまってしまわなければ、ですが。

頑張った分だけ、自分の持つエネルギーがシフトして、上に上がれるということ、そしてそれは自分次第、ということですね。                                                                                                                                                                                                                                                                                         (Chika)

 

 

昨日行った、秋田の温泉から見える、田沢湖の風景です。もうすっかり秋ですね。

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カウンセリングを勉強してよかったこと

カウンセリングを勉強していよかったと思うこと、それは、ことあるごとに、自分にもカウンセリングのスキルを適用するので、気持ちを切り替えるのがうまくなったことだと思います。

私は、自分のことを、特別にネガティブ思考の人間だとは思わないですが、特別に前向きな人間でもないと思っています。腹が立つことも、不安に思うことも、逃げたくなることも、たまには気分が落ち込むことも、普通にあります。

でも、あんまり引きずらないほうだとは思っています。つまり、わりと切り替えが早い(つもりでいる)。

だいたい、かなり落ち込んでも、長くて1~2日で回復して、気分が治った後は、

「え~と、そういえば、なんで落ち込んでたっけ。」

と、原因が思い出せないことが多いくらいです。(←単に物忘れがひどいだけか。最近、今日の晩ごはん、何食べたかも思い出せないし。)

そして、これは、自動的に気分が切り替わるのではなく、考えてみると、意識的に切り替えていることが多い気がします。

例えば、

「あ、今、あのことに対して腹が立っているな。だったら、すぐに反応するのはやめよう。怒りは数分で静まるはずだから、しばらくほかのことをして、冷静になってから、さっきのことに戻ろう。(←怒りの感情にまかせて行動すると、ろくなことにならないのを知っているから)」

とか、

「あ、自分、今、あの問題を怖がって、逃げたいと思っているな。ここで逃げたら、後でもっとしんどくなるから、あえて今、ぶつかっておこう。(←怖いものは、避ければ避けるほど、怖さが増すことを知っているから)」

とか、

「今、心身にストレスがたまってきているな。意識的に腹式呼吸して、酸素をたくさん吸おう。でないと、このままだと、ストレス性の肩こりと頭痛が起こるから。(←呼吸は、そのときの気分を切り替えるのに一番手っ取早い方法。浅い呼吸だと、頭に酸素が廻らなくなるので、頭痛がしたり、クリアにものごとが考えられなくなる。)」

などなど。

基本、自分の心の状態に敏感になって、自分の内面で起こっていることに注意深くなると、自分の心をコントロールすることが容易になります。

まあ、アメリカの大学院でのカウンセリングの勉強は大変で、朝から晩まで土日もそっちのけで、時にはご飯を食べる暇もなく、3年間勉強しまくりの忙しい日々だったのですが、こうして、自分に役立っているっていうだけでも、頑張った甲斐はあったなあと思います。                                                                                                                                                   (Chika)

 

       

 

ねこのミミをマッサージ中。

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私の一番の師

今から30年程も前のことですが、子どもの発達を心配している親御さんとその子どもたちを対象にした育児教室の仕事をしていた時のことです。

当時、4歳くらいだったと思いますが、生まれながら脳に何らかの障がいを抱えた女の子が、その教室に入学してきました。
色白で、華奢な感じの女の子でした。少し恥ずかしがり屋でしたが、遊びに誘うと、とても嬉しそうに近づいてきました。その佇まいは、静かで、時折、恥ずかしそうに口に指をくわえ、私の後ろをついて来ました。
初めは、お友だちに近づくこともできずに、遠目に、教室の様子を見ているだけでしたが、私の誘いについて来るようになってからは、少しずつ、友だちの輪にも入るようになりました。
運動機能と知能に少しのおくれがある子どもさんでしたが、素直で、自分の要求を表現できる子どもさんでした。
その様子は、他のお友だちにも好感を持たれ、楽しく過ごし、卒業していきました。

それから、7~8年くらいたった頃でしょうか。偶然、その子どもさんのお母様にお会いしました。でも、お互い用事がありましたので、近況をお話する程度で別れました。

その後、ある方を通して、そのお母様の当時の気持ちを聞く機会がありました。
「当時、実は、我が娘をどうしても可愛いと思うことができずに、子どもに辛くあたっていました。でも、育児教室に通って、教室の先生方が我が娘を可愛がってくれる様子を見ていたら、嬉しくなり、我が娘を可愛いと感じるようになりました。そして、ようやく、我が娘を愛せない苦しさから逃れることができたのです。」と。

お母様がそのように感じてくださっていたことを嬉しく思うと同時に、そのようなお母様の気持ちに気付けなかった自分を恥ずかしく思いました。

おそらく、我が娘の姿を見ることは、五体満足な身体に産むことができなかった自分の罪とも感じる後ろめたさをまざまざと見せつけられているようで苦しかったでしょう。
そして、育児教室の先生方が子どもさんを可愛がる姿は、お母様自身を受け止め、肯定する意味を持っていたのでしょう。

その日以後、お母様にお会いすることはありませんでしたが、私が、この仕事を続けていきたいと思えた出来事であり、忘れ難い思い出です。

この仕事をしていくために、様々な研修を受けますが、一番の師は、子どもたちやそのお母様、お父様であることを痛感する毎日です。
本当に本当に沢山の教えをありがとうございます。

 

 

                                                                                                                                    (佐々木智恵) 

セドナ

アメリカでも大好きな場所の1つ、セドナ。

私は、アメリカの中でも、サウスウェストと呼ばれる、アリゾナ・ニューメキシコあたりが、一番すきです。

セドナは、アリゾナ州にある町で、サウスウェスト特有の砂漠や岩山に加え、不思議に水や緑にも恵まれている場所。日本でも、パワースポットとして、近年とても有名になりましたね。

セドナは、私的には、バーン!とエネルギーが通って、本当に体が元気になるところです。大地のエネルギーが強いので、浄化力とグラウンディング力がとても強力。私はセドナに行くと、いつも、長時間のドライブからくる頭痛や肩こりが、不思議に治ってしまいます。

また行きたいけれど、今年のアメリカ行きは、ノースウェストが目的地になりそうなので、再訪はまだしばらく先かな。

今年は、秋、またカウンセリングのセミナーを受けに、渡米予定です。シアトルで、PTSDの治療法に関するセミナーを受講して、スキルアップしてこようと思っています。

                                           (Chika)

 

 

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リラックス効果の高い呼吸法

呼吸法にはたくさん種類がありますが、私が自分で実践してみて、短時間ででき、かつ、リラックス効果が高いと思うものを1つご紹介します。チベットに伝わる呼吸法です。

 

①お腹から、できるだけたくさん、息を吸い込む。このとき、風船が膨らむように、下腹部が膨らむとよい。

②いっぱい息を吸ったら、さらにもう1度息を吸い込む。(つまり、息を吐くことなく、2回吸い込む。)そのまま、しばらく息を止める。その時、圧がかかるにつれて、胃のあたりがだんだん暖かく(熱く)なってくるのを感じる。

③一気に息を吐き出す。このとき、全身がリラックスするので、その余韻を楽しむ。

 

必要に応じて、①~③を何回か繰り返してください。

ちなみに、呼吸をするときは、息を吸うときに交感神経、吐くときに副交感神経が優位になります。交感神経は、覚醒させて活動的にさせ、副交感神経はリラックスさせる働きがあります。

この方法で呼吸を繰り返すと、最大限に息を吸ってから一気に吐き出すことで、よりリラックス効果が高まります。

よかったら、試してみてください。 

                                                                                                                         (Chika)

 

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自然と人間の関わりについて

人間の行いや思いと自然は、つながっているのだなあと思います。

アメリカにいたころ、日本みたいに神社がないので、人里離れた自然が豊かな場所を選んで、お参り代わりに、お酒とお花を土地にささげてきたことがありました。

すると、翌日、家の庭の上に、こんなものが現れました。

心霊写真ならぬ、精霊写真。(なんの形だか、わかりますか?)

自然の力によって生かされている私たちは、自然に敬意を表することは、とても大切だと思います。

普段は目に見えないけれど、自然を司る存在に人間の思いはちゃんと伝わり、とても喜んでくれるからです。

実は、普段は多くの人が意識すらしないけれど、人間と、自然界の目に見えない存在たちは、お互いに影響しあって生きています。

自然と切り離されて生きている現代だからこそ、そういうことを忘れないで、頭の片隅に置いておくことは、世界をよりよい場所にしていくために、必要なんじゃないかと思います。                       

                                                                                                                                      (Chika)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

 

 

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「周囲の状況に気づく力」の育て方

「周囲の状況を気づく力」と言いましても、漠然としていますね。
「周囲」には、いろいろなことが含まれますね。
場所や物、人、音や色、匂い、温度など、色々ありますが、ここで取り上げたいのは、「人」です。

子どもの日々の成長は、常に人との関わりの中で育まれています。

具体的に考えてみましょう。

子どもが初めて経験する集団生活は、おそらく、幼稚園や保育所。
そこで、重要になってくるのが、如何に一斉指示に気づけるかです。
幼稚園や保育所の先生が発する一斉指示は、集団生活を円滑に行なうためであったり、ルールの説明であったりします。その指示に気づけることは、子どもの混乱を防ぎ、集団生活を楽しくし、ひいては、子どもの成長につながっていきます。
もちろん、指示に気づくだけでなく、内容を理解することも求められますが、まずは、段階的に「人」に気づかなければなりません。

「物」には気づきやすく、「人 」には気づきにくいという場合があります。

「物」は、子どもが興味を示すものだったりしますので、すぐに、目に飛び込んできて、側に「人」がいることに気づかないことなど、結構あります。時に、「物」に夢中になり、声を掛けても、そのことに気づかない場合もありますね。

そのようなことをできるだけ防げるよう、小さい時から、「人に気づく力」を意識して育てましょう。

実は、その力は、お母さんのお腹の中にいる時から育てられています。

以前にもお話ししましたが、お母さんのお腹の中にいる時に赤ちゃんに聞こえているのは、ややくぐもったお母さんの声(残念ながら、お父さんの声は赤ちゃんに届いていないそうです)。出生直後に聞くお母さんの声は、赤ちゃんにとって馴染みのある声。その声に耳を澄ますような動きをします。目が開くようになると、その声の先にあるお母さんの顔を必死に見ようとします。これが、赤ちゃんにとって、初めての周囲の状況に気づく経験という訳です。

赤ちゃんが生まれると、多くの人が声をかけてくれます。それは、とても良い刺激です。その中で、赤ちゃんは、自分にとって安心で安全な声を聞き分けていきます。

そう、それがお母さんの声です。
安心安全な声を見つけると、赤ちゃんは安心して、沢山の声に興味を示していきます。

しかし、赤ちゃんは、目の前で声をかけられないと気づきにくいです。
ですから、赤ちゃんの視線の先に、声を掛ける人の表情が見えるようにしなければなりません。
それは、ちゃんと、自分に働きかけられているという感覚を養うという意味もあります。
それでも気づかない時は、赤い色など目立つおもちゃや赤ちゃんが視線を向けてくれる物を介して、人の顔が見えるように工夫する必要があります。また、人の声よりもテレビの音や画面の方に気をとられる赤ちゃんもいます。そのような場合でも、赤ちゃんの視線を意識して声を掛けたり、お気に入りのおもちゃなどを介して働きかけてあげると良いでしょう。

このようにして、「周囲の状況に気づく力」は、日々積み重ねられていきます。

色々と難しくお話してきましたが、おそらく、大抵は、無意識にやられていると思います。
ただ、時に、このことについて無意識に手薄になる場合があり、「人」よりも「物」への気づきが優位になり、成長するチャンスを逃す場合があります。

ほんの少しだけ、この当たり前のような対応を振り返っていただければ嬉しいです。

                                                                                                                                    (佐々木智恵)

おじゃま虫

机に向かってなにかしていると、だいたい机に飛び上がって、スペースを占領してしまう、ニャンさん。

いつものことですが、たいへんに邪魔です。(-_-;)

押しのけても押しのけても、戻ってこようするニャンさんと、せめぎあいになり、毎日のように人間とネコ間で、バトルが繰り広げられています。

ちょっとやそっと怒っても、本人は怒られているとは思わないらしく、のどを鳴らして甘えています。(左の写真)

バトルに疲れてこっちがあきらめ、放っておくと、そのうち、机の上で寝てしまいます。(右の写真)

 

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ちなみに、このときやっていたのは、9月6日に盛岡で開催予定のセミナーの、資料の手直し。

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今回は、2時間半時間を取っているのですが、盛りだくさんの内容になってしまい、これも話したいし、実践的なエクササイズも盛り込みたいし、時間内にどこまでやれるかな・・・(-“-)と、時間配分を検討中。

内容のごく一部だけご紹介すると、写真の左側のページでは、感情の2つのレベルについてや、感情が体や感覚とどう関係しているか、右側のページでは、「マイナスの感情」と呼ばれる(本当は感情にマイナスもプラスもないのですが)、怒りや恐れ、恥等の感情をひとつひとつを取り上げて説明し、それぞれどのように対処したらいいか、記載しています。他にも、心の傷を悪化させる要因や、傷ついた心をどうやって自分で癒したらいいか等、かなり濃い内容になっていると思います。

まだ空きがあるので、盛岡近辺で参加ご希望の方がいらっしゃいましたら、こちらのご予約・お問い合わせフォームよりお申込みください。(お電話でのお申込みも受け付けております。)

           (Chika)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

*セミナーの詳細はこちらになります。

内容:「感情の扱い方・心の癒やし方」

日時: 9月6日(土)AM: 9:30-12:00
場所: サンライフ盛岡 (仙北2丁目4-12)
内容: 心理学講座「感情の扱い方・心の癒やし方」
参加費用: 800円 (資料代込)

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受信と発信

「どうしよう。どうしたらいいんだろう。」

と、あれこれ考えつづけていても、答えが見いだせない時。

「ああなったらどうしよう。こうなったらどうしよう。」

と、不安にとらわれているとき。

そんなときは、いつまでもぐるぐる考えつづけるよりも、いったん、問題を棚上げして、頭を空っぽにし、リラックスした方がいいと思います。

そうすれば、いい解決方法や、必要なアイデアが降ってくることがあるからです。

頭がぐるぐる働いて、誰かに対し、または自分の心の中で、おしゃべりを続けているときは、いわば、発信モードになっているとき。思考を生み出すためにマインド(頭)が働いている状態、例えるなら、発電機が動いて、自分から電波が発信されている、といった感じでしょうか。

でも、あまり四六時中うるさくおしゃべりしすぎると、「聴く」ということができなくなります。何を「聴く」かというと、インスピレーションの声、直感の声です。

直感は、潜在意識の奥にある、自分の中の叡智(神性)に通じているのですが、こことつながるためには、受信モードにならなければなりません。受信モードは、頭を休めて、体をリラックスし、心を落ち着かせ、感覚がオープンになっているとき、一番、感度がよくなります。だから、そういう状態のとき、自分に必要ないい考えが、ふと頭に浮かんだりするのです。

想像上の例えで言うなら、神様と電話をしているとして、発信モード全開で、こちらから一方的に

「神様、大変なんです。どうしたらいいでしょう。私、もう、だめかもしれません。・・・」

と延々と話し続けていると、 神様が

「それをなんとかするにはだな、まずこうして、それからああして・・」

と、せっかく教えてくれていても、自分の声がうるさくて神様の声が聞こえないという状況になってしまう、ということです。

発信モードでひとしきり訴えた後は、おしゃべりをやめて受信モードに切り替え、耳を澄ませて相手の声を聴きとることが大切です。

潜在意識から降りてくる声というのは、通常、とても繊細で微妙、か細い声なので、気持ちを落ち着かせ、集中して、よく聴きとらなければなりません。

そのためにも、不安にとらわれて、出口が見えなくなっているときは、いったん心のおしゃべりをやめて頭を空っぽにし、心静かにリラックスすること。

ちなみに、不安なときは、おしゃべり(相手がいるなら相手に対して、一人なら心の中のおしゃべり)がインスピレーションとのつながりを邪魔するのに対し、うつ状態でふさぎ込み、何も考えられなくなっているときは、いわば、自分で電話線を抜いて、直感の声をシャトアウトしまっている状態です。自分からつながろうとしておらず、聴く耳を持たないでいるという点では同じですね。

どんなに苦しいときにでも、そこを通り抜けて、光差す場所に出るための導きというのは、必ずあるはずです。それを得るためには、心の耳を澄ませて、受信モードになり、受け入れるだけのスペースを、自分の中に作ってあげること大切なのだと思います。

                                           (Chika)

 

 

 

 

 

形あるものを超えて

私たちの世界では、形あるもの、目に見えるものは、いつか滅びてなくなるようにできています。

人も、動物も、植物も、建物も、本も、みんなそうです。

目に見えるものだけにフォーカスするなら、このしくみは虚しく思われるかもしれません。何かを作り上げても、どうせいつか消えてなくなるのですから。

でも、よく観察してみるならば、形なきもの、目に見えないものは、もっと持続的であることのがわかると思います。

存在するものは、目には見えないレベルでは、もはや失われることなく、個が全体に影響し合い、常に変化を続けながら、持続する。それがこの宇宙全体で繰り広げられている、永遠の創造の過程だと思います。

例えば、私が尊敬し、思想的に影響を及ぼしている人の一人に、マルクス・アウレリウス・アントニヌスという人がいます。

この人は、ローマ五賢帝の最後の賢帝と言われ、常に公的な幸福を考えて、非常に賢明かつ献身的に国政を摂ったために、彼の統治下のローマは平和と繁栄を享受しました。

マルクス・アウレリウスは、忙しい日々の中で、自分を振り返り戒めるために、「自省録」という日記を残していたため、彼の思想は後世に知れ渡ることになりました。日本では、精神科医の神谷恵美子さんが独学で学んだギリシャ語から訳した本が出ています。(ちなみに、神谷美恵子さんも、私がとても尊敬している人の一人です。)

マルクス・アウレリウス自身は、1800年以上も前に亡くなっていますし、「自省録」の原本は、現在、どこかに保管されているのかどうか知りませんが、あったとしてももう、あまり原型をとどめてはいないと思います。

けれども、マルクス・アウレリウスが苦悩の多い人生を生き抜き、その体験の中から生み出した思想や気高い生き様は、彼の身体が滅びた後でも、目に見えない形で、たくさんの人に多大な影響を与えています。

1800年以上後になって、ローマからは遠く離れた日本に一個人として生まれ、生きている私もその一人で、何度も繰り返し読んだ「自省録」を通じて、マルクス・アウレリウスには、慰めや励ましや勇気をたくさんもらいました。

実際のところ、本そのものよりも、本の中に根づいているマルクス・アウレリウスのもつ魂に触れたことにより、感銘を受けて、自分の中にポジティブな変化が起こったというほうが、正確だと思います。

そして、マルクス・アウレリウスの思想を取り入れ、(願わくば)アイデンティティの一部に取り入れた私自身も、いつか誰かに、その部分から何らかのメッセージを伝え、いくばくかの影響を及ぼすことがあるかもしれません。

このようにして、私たちは、形あるものよりも、むしろ形の向こう側にある見えないものを通して、お互いに影響を与え合い、変化を起こしあっているのだと思います。それは、常に止むことなく起こっていて、永遠に続く、目に見えない化学反応のようなものです。そして、これこそが創造のプロセスなのだと思います。

この世に存在するすべものは、この創造のプロセスに関わっており、だから、私たちの取る行動や発する言葉(目に見えるもの)、頭で考えることやよぎった感情(目に見えないもの)、すべてが、意識する・しないに関わらず、世界を変えうる要素になるということです。

単純にいうと、傷ついた人が多ければ、世の中は悲しい場所になるでしょうし、悪だくみをする人が多ければ多いほど、世界はすさんだ場所になるでしょう。優しく正直な考え方をする人が多ければ多いほど、世の中は安心して安らげる場所になるでしょう。

ここをどんな世界にするかは、その構成要因であり、クリエーター(創造する者)である私たち一人ひとりにかかっているということ。私たち一人一人に、創造のパワーが宿っているということなのです。

そう考えると、私たちの1人1人がこの世界において大切な役割を担っている、意味のあるかけがえのない存在なのだと思います。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    (Chika)