最近読んだ、お勧めの本をご紹介します。
「今日、誰のために生きる?」アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語 ひすいこたろう×SHOGEN著 廣済堂出版
著者のショーゲンさんが、幸せな人ばかりいるアフリカの小さな村に行き、1年半ほど人々と一緒に暮らし、そこで見聞きしたことをどうしてもみんなに伝えたいと思い、書かれた本です。
この村の人たちは、心を大切にしています。現代の日本の社会とは全然違い、目から鱗のことばかり。日々、すごいカルチャーショックです。
でも、それは、太古の昔、縄文時代の日本では、当たり前に行われていたことでした。
例えば、ショーゲンさんは、最初の頃、しょっちゅう部族会議に呼び出されて、問題を指摘されます。「お前はなんでそんなにゆとりがないのか」。
この村の人たちは心のゆとりをとても大切にしています。仕事が途中でも、時間が来たら潔くやめて、家に帰る。家族との時間が大切だから。
一人の子が、流れ星が見たいというと、大人たちも全員で一緒に流れ星を探しに行きます。
また、ショーゲンさんは、一緒に食事していても、お前は心がそこににないと指摘をされます。マインドフルでなく、マインドレスになっているということですね。
この村では、言葉を大切にします。心から言葉を話すことがどんなに大切なことか、知っています。 だから、相手を抱きしめるように話せといいます。 心がこもっていない言葉を話せば、小さな子供にもそれを感じ取られて、指摘されてしまいます。
この村の人たちは、感謝を伝えることを、とてもよくします。何かで恩恵を受けたら、それを与えてくれた人のところに行って、まっすぐそれを伝えるようにと言います。
失敗を悪いこと、してはいけない、とする概念がありません。失敗した人には、「かわいいね、人間らしいね」といいます。人は年を経るごとに、完璧になるのではなく、人間らしくなるといいます。
人に対して「信じているよ」とよくいいます。誰かが、こうしようと思うというと、「あなたがそうできることを信じているよ」と伝える習慣があります。
この村の人たちは、自分を大切にすることを、子供のころから自然に学びます。この村の人たちはみんな親切で人助けをよくするので、それにならってショーゲンさんが人助けをしようとすると、「お前を見ているとハラハラする」と言います。人に与える時は、自分の盃がいっぱいになって、そのあふれた分を人に与えなさいと諭されます。自分の心が満たされていないのに与えようとすると、自己犠牲になり、心に苦しみが生じます。苦しさが周りにも伝わるので、ハラハラするわけです。
叡智があふれていて、でもわかりやすく、易しい言葉で書いてある本です。変に小難しい心理系の本より、よほど役に立つと思います。
真理って、本当はシンプルなものです。
人は賢く進化すればするほど、ある意味、子供のようになっていきます。子供じみるのではなく、大人になる過程で身に着けた余計なものがなくなって、子供のように純粋になっていくということ。この村の人たちがそうであるように。
幸せであるためには、幸せを感じる心を持てばいいわけで、幸せを感じる心を持つためには、心にゆとりがなければいけません。何かを感じるには、感じるためのスペースが必要です。
現代社会では、利益をあげたり、競争して相手より上に優位にたったり、成功したりすることに必死で、その奮闘によって生じた膨大なストレスを紛らわすために、頭を忙しく埋めて、心から目をそらすことをしていますね。こんな状態で、幸せを感じることができるはずはありません。
色々、大事なことに気づかせてくれる本なので、一度、読んでみてはいかがでしょうか。