盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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22日

パニック症状の対処法(前半)

パニック発作の対処法を、The Anxiety and Phobia Workbook 3rd edition (Edmund J. Bourne, Ph.D. 著)より、抜粋したものです。症状に苦しんでいるかたのご参考になればと思います。

 

1.避難する

 

もし、恐怖の対象の近く、あるいは、その状況下にある場合は、不安が治まるまでの間、その場から離れましょう。例えば、スーパーで買い物中の場合は、買い物カゴを置いて、外にでる。車を運転中なら、路肩に車を止める、など、たいていの状況には、逃げ場があるはずです。

 

この際、「避難」と「逃避」を区別することは、重要。「避難」は、気分がよくなったら、また戻るという意図のもとに、一時的にその場を離れることを意味します。「逃避」は、対象に対する恐怖感を増長させる行為に過ぎません。気分が改善したら、必ずまた、その状況に戻るようにしてください。

 

2.人に話しかける

 

近くの人に話しかることにより、パニックの症状や不安な考えから、意識をそらすことができます。スーパーでレジに並んでいるときや、飛行機の中などで、とても効果的な方法です。公の場でスピーチする場合は、緊張していることを聴衆にあらかじめ打ち明けた方が、緊張は和らぎます。

 

3.動き回る、体を動かす

 

動き回ったり、体を動かしたりすることによって、アドレナリンの増加による過剰のエネルギーを消費することができます。職場なら、トイレまで、廊下をひとしきり歩く、家ならば、身体活動を要する家事に勤しむなど。或いは、ジョギングや水泳などの運動、ガーデニングなどに従事するのもよいでしょう。

 

4.「現在」にとどまる

 

まわりにある、具体的な物体に意識を集中させましょう。電車の吊り広告とか、外に見える雲とか、スーパーの雑誌コーナーの本など。「現在」にとどまって、外界の対象物に意識を向けることにより、不快な体の症状や、悲観的な思考から、気をそらすことができます。

 

5.単純な反復作業を行う

 

パニックの症状や不安感から気をそらす、単純な反復作業が色々あります。

 

・ガムを包み紙から取り出して噛む

・100から3まで、数字を逆に数える

・財布を取り出して、小銭を数える

・カギのギザギザな部分や、ブラシの歯に触って、感触を確かめる

・手首に巻いた輪ゴムを、パチンをはじく

・ぬれたおしぼりを顔に当てる

・パニック時用のセルフ・トークを書いた紙を取り出して読む(「大丈夫、これはすぐに終わる。」等)

 

6.集中力を要する活動に従事する

 

これは、不安が高まっているときや、パニックの時は、開始すること自体が難しい行為ですが、一度従事してしまえば、より継続して、かつ、効果的に、不安から注意をそらすことができます。

 

・面白い本や雑誌を読む

・パズルを解く

・縫い物や編み物をする

・トランプやボードゲームをする

・計算する

・楽器を弾く

・今日の計画を立てる

・絵を描いたり、粘土で遊ぶ

 

7.怒りを表現する

 

不安と怒りは、相容れない反応です。この2つを同時に経験することはできません。パニックが、心の深いところにある怒りや欲求不満の代役を果たしている場合が、よくみられます。怒りを、単に言葉で表現するだけでなく、(怒りを表しても害のない対象物に向けて)身体的に表現すれば、パニックの発生を防げる場合があります。

 

・枕をたたく

・安全な場所で叫ぶ

・卵を1ケース、バスタブの中に割りいれる(あとですぐに洗い流せます。)

・サンドバッグを殴る

 

パニックの初期症状自体に怒りをぶつけることが、効果をあげることもあります。パニックと闘うという意味ではなく(それでは逆効果です)、恐怖の背後にある感情を、別の感情に変換させるのです。

 

「また、これか!もう、人がどう思おうと、知るか!」

「パニックなんて、ほんとにバカバカしい反応だ!」等。

 

※ただし、「パニックに怒りをぶつける」のは、一番先に試すべき方法としては、お勧めできません。他の方法を先に試してみてからにしてください。

 

(後半へ続く)


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