盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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24日

育みたいもう一つの「生きる力」

「生きる力」を考える時に、「人は、一人では生きていけない。」という言葉を思い浮かべます。全くその通りで、身体的にも、精神的にも、経済的にも、社会的にも、本当に多くの方々に支えられて生きていると実感します。

誰でも、一度くらいは、一人で解決できない不安や困り事を抱えた経験があると思います。そのような時、皆さんは、どうされますか。 おそらく、誰かに協力を願うなどの手段を講じると思います。

でも、それができないとしたら、どうなるでしょう。

一人でその思いを抱えてしまい、その事ばかりを考えるようになります。それは、とても苦しい状態で、心のエネルギーを奪い取り、時に、孤独すら覚えさせる事もあるでしょう。

逆に、勇気を持って、誰かに話すと、心の中に溜まっていた重い思いが、少しずつ抜けていき、軽くなっていきます。

苦しい時に、Helpを発信する力。それが、もう一つの「生きる力」です。

「◯◯で困っているの。手伝って欲しい。」「◯◯に悩んでいるの。話を聞いて欲しい。」など、自分の困っている事を誰かに伝える力。

この力を育てるには、どうしたら良いのでしょう。 自分の困っている事を誰かに伝えるという行為は、勇気がいることです。「困った時は、ちゃんと言うのよ!」と、時ある毎に、言い聞かせても育つものではありません。

まず、その力を育てる前提として、基本的信頼が育っていなければなりません。

赤ちゃんが泣くと、お母さんは、おっぱいやミルクをあげたり、おむつを変えたり、寝かせつけたりしますね。基本的信頼は、このような中で育つものです。

「お母さんは、困った時、助けてくれる人だ。安心できるなあ。」といった感覚です。

そして、もう一つ、ありのままの自分を受け入れられる体験が必要です。

子どもですから、よく叱られるような行動をしてしまいます。これが頻繁だと、大人側も、つい、頭ごなしに叱ったりしますね。

社会的に認められない行動は、許してはいけませんが、抱く感情に良い悪いはありません。抱いた感情を受け止め、その感情を言葉にして、子どもに返してあげましょう。

「そうかあ、悔しかったのね。」など。

そうすれば、子どもは、「◯◯で、僕は悔しかったけど、お母さんは、わかってくれた!」と思うでしょう。

逆に、感情を受け止めずに、行動だけを叱ると、親としては、行動のみを叱ったつもりでも、子どもは、その感情を抱いた自分をも、いけないものと勘違いする場合があります。

「悔しいと感じた僕は、悪い子。」と。

同じ叱られるにしても、感情を受け止めてもらうと、気持ちが落ち着いて、前向きな気持ちが生まれます。その前向きな気持ちが、誰かにHeipを発信する勇気につながります。

「Helpを発信する力」と、前回、お話しました「ありのままに感じ、ありのままに表現する力」

難しいと感じる方も多いと思いますが、少し意識して、日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。

                                  (佐々木智恵)

 

後悔や自責の念の処理法

みなさんは、自分が過去に犯した失敗や間違いを、自分にとって権威のある誰かに、延々と責められたらどんな気持ちになりますか。

もし、ことあるごとにそのことを掘り起こされて、くどくどと何年も責められたら、自分の精神状態は、どうなってしまうと思いますか。

恐らく、抑うつ状態になり、精神エネルギーは低下して、新しい行動を起こす気力もなくなってしまうのではないでしょうか。

後悔や自責の念にさいなまれるというのは、これを、自分で自分にしてしまっている状態です。自分自身に対して発する言葉というのは、場合によっては、ほかの誰の言葉よりも権威を持っていますから。

過去に犯した過ちについて、いつまでも自分を責め続けると、心を落ち込ませてエネルギーを奪い、自分を害してしまいます。

それならば、どうしたらいいのでしょう。

もう終わったことを延々と思い煩うかわりに、数分間だけ、思い切って自分のしたこととじっくり向き合う濃い時間を持ちます。そして、よくよく反省し、もう二度とこんなことはしないと、肝に銘じます。そして、十分反省したなら、潔く自分を許してあげ、後はもう手放して、気持ちを切り替えます。

もちろん、修正できる状況であれば、修正する。相手がいて、謝罪できる状況であれば、謝罪するのがいいと思いますが、この場合、相手の立場も考えて、自分勝手な気持ちの押し付けにならないように気を付ける必要があると思います。

もし、直接謝罪するのが適切でない場合、あるいは、もうそれができない場合は、心の中でいいので、心の底から謝ります。

後悔や自責の念からくる苦い思いは、それらをする原動力として利用したほうが、建設的だと思います。あなたがいつまでも自分を責め続けて、自分のエネルギーを低下させることは、自分自身のみならず、この世界にとっても、望ましいことではありませんから。

あなたが元気でいれば、周りの人にもよりよいものを与えることが可能でしょうし、その分、この世界を元気にすることができます。この世に生きているものは、皆、つながって、影響し合っているので。

結局のところ、もう同じようなことで後悔しないように、方向転換し、これからの自分の言動を変える契機になるのであれば、犯したその過ちは、決して無駄ではなかったと思います。

                                                                                                        (Chika)