盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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最近読んで、よかった本

最近読んで、よかった本

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最近読んで、とてもよかった本をご紹介します。

「おじいちゃんが教えてくれた人として大切なこと」アルン・ガンジー著 桜田直美訳 ダイヤモンド社。

愛と非暴力を説き、実践した、マハトマ・ガンジーの孫、アルン・ガンジーが書いた本です。

南アフリカで育ったアルン・ガンジーは、子供の頃、人種差別からくる理不尽な暴力を受けることが日常茶飯事でした。そのため、心が荒んで、怒りを持て余し、自分自身も暴力的な子供になっていました。そんな時、祖父のマハトマ・ガンジーのもとにしばらく預けられ、一緒に暮らすことになります。

マハトマ・ガンジー自身、差別や暴力を受けて育ったので、若い頃は粗暴なふるまいがある人でした。けれども、自分の心をコントロール術を身に着け、その結果、絶大なパワーを発揮して、インドを独立に導き、国境を越えて多くの人の心に影響を及ぼすに至りました。

子供だった孫から見たマハトマ・ガンジーは、決して怒ることがなく、どんなときにも穏やかな人だったそうです。けれども、孫がずるいこと、よくないことをしたときには、それを見抜き、怒るよりももっと深いやり方で、二度とそれをしないよう、教えました。

マハトマ・ガンジーの存在に触れ、直接、色々なことを教わった孫は、自身も心のコントロールを身につけるようになり、高い志をいだく大人に成長し、やはり、世のために役に立つ生き方をするようになったのだと思います。

暴力よりも、愛と非暴力の方が、多くを成し遂げ、周囲を変える力を持つか。暴力よりも愛の方が、パワフルなんですよね。暴力のパワーは、一時的に、表層の部分しか影響を及ぼせない、偽物のパワーです。愛は本物のパワーなので、根本的かつ持続的な変化を及ぼすことができるのです。

暴力による支配は、怖いからいうことを聞く、でも心の底では従わないという現象を起こします。愛による働きかけは、心の底から納得して、従いたくなる。どちらがよりパワフルか、ということです。

当時、インドを支配していたイギリス政府は、言うことを聞かないマハトマ・ガンジーに逮捕命令が出しますが、マハトマ・ガンジーは終始穏やかで、「はい、わかりました」と素直に応じるため、逮捕しにきた役人は戸惑い、困ったと言います。あなたがそういう態度だと、逮捕したくなくなる、いっそ、敵対的に抵抗してくれた方が、こっちも威圧的に逮捕しやすい、というわけです。

マハトマ・ガンジーは、怒りを持つことが悪いとは言っていません。怒りは必要な感情。でも、怒りを暴力で表すことは、よい結果をもたらさない。怒りを建設的に使えば、物事を変化する力になるということです。

読みやすい本なので、興味がある方は、読んでみてはいかがでしょうか。

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