盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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症状がよくならない人

症状がよくならない人

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今までの経験上、症状がよくならない人の特徴を、思いつくままに書いてみます。

 

①人のせいにする人

 

自分の不幸を人のせいにする人は、まず確実によくなりません。

確かに、誰かが何かをしたために、その人の状況が誘発されたのかもしれないけれど、かといって、その人を非難しているばかりでは、よい変化は起こりません。

たとえば、誰かに騙されて、一文無しになったとして、何もせず、ソファに座って、毎日だました人に悪態をついてののしっているだけでは、状況が好転しないでしょう。犯人が人生の責任を取ってくれるわけではないので、立ち上がって、自分の人生を立て直す以外ない。

自分は犠牲者だとみなす、被害者意識が強い人、自己憐憫に浸っている人も、同様です。犠牲者だと思っているということは、自分が状況をコントロールする力があるという現実を否定し、自分は無力であると言っているのと同じだからです。

誰がほかの人がしたにせよ、自分の人生に起こったことは、やっぱり自分で責任を取るしかないのです。言い方を変えれば、自分の人生を本当に変えられるのは、人生の主人公である自分だけである。誰がなにをしようと、自分次第で自分の人生は変えられる、ということです。

 

②問題に直面するのを怖がって避け続ける人

 

特に深刻なトラウマを受けた人で、何年も何十年も、怖さのあまり、自分の心と向き合うのを避け続けている人は、心の問題は悪化の一途をたどります。そして、多くの人は、心の症状だけではなく、最終的に体の症状にも苦しむようになります。

怖いものというのは、避ければ避けるほど、もっと怖くなるもの。最終的に、目をそらせて気を紛らわすために、ドラッグやアルコール、その他のさまざまな依存症に陥る人も多いです。そうなると、問題がさらに複雑化して根深くなるので心の傷を回復することは、何年もかかってしまうことがよくあります。

心の問題は、いつかは直面しなければならないもの。準備ができていないうちに傷を暴くことはよくないのですが、早く対処したほうがいいというのは、やはり言えると思います。

 

 

③頑張る方向が間違っている人

 

よくなろうと一生懸命努力しているのだけど、その方向性が間違っている人は、疲れるだけでよくならないと思います。

例えば、愛からではなく依存から、自己犠牲を払って尽くしたり、自尊心を踏みにじられてもパートナーと一緒にいようとする人。喜びのためではなく、不安を埋めるために、無理をして何かを頑張り続けた挙句、達成感よりも虚しさを味わってしまう人など。

こういう場合、骨折り損のくたびれ儲けどころか、心の状態を悪化させることになってしまうので、それを防ぐためにも、自分の苦しみの原因が本当はどこにあって、どういうふうに対処したらいいか、見極めることはとても大切だと思います。

 

 

④薬に依存しすぎる人

 

うつ病や抗不安剤などの向精神薬に頼りすぎて、それ以外何もしない人は、私の見てきた中では、よくなった人があまりいませんでした。

私が以前診ていたクライアントさんで、自己評価がとても低く、なんでも悲観的・否定的な見方をする人がいました。この人は慢性的なうつを患っており、精神科医による薬物療法と、サイコセラピストによる心理療法の両方を受けていたのですが、彼女はSSRI系のある薬にとてもよく反応し、これを飲むとうつがウソのようによくなると言って、あまり心理療法のセッションには来ませんでした。

薬で症状が抑えられているうちはおかったのですが、彼女の鬱は何年にもわたる長期的なもので、やがて経済的に薬を買いつづけることが難しくなり、それまで飲んでいた薬をより安価なジェネリックの薬に替えた途端に、鬱がもどってきしまいました。

抗鬱剤にできることは、概して、体の痛みどめと同様、脳内の神経伝達物質の量や働きを操作して鈍らせ、あまり感情的な刺激を感じなくすること。うつを引き起こしている心的な原因を取り除くことではありません。加えて、薬で神経伝達物質を操作する習慣がつくと、薬が体内にある状態が正常になっていまいます。脳内の神経伝達物質は、感情反応や外からの刺激によって増減するもの。気持ちを自分でコントロールする力を身に付ければ、神経伝達物質のバランスも調整できていくはずですが、薬に依存してしまうと、自分で自然に操作する力を失ってしまう、つまり、自分で自分をコントロールする力を失う、ことになってしまう。薬は一般に腎臓や肝臓にダメージを与えるので、東洋医学でいうところの生命力をつかさどる器官からエネルギーが奪われることにより、活力を喪失してしまうことも重要な副作用です。これらの理由から、よほどの症状で場合でない限り、薬にだけ頼り続けるのは、私は疑問を感じます。

上述のクライアントさんとても共依存的な傾向にあり、元夫に虐待をうけていた過去があったのですが、その辺を含めて、彼女の鬱を引き起こし、人生に障害をもたらしているものの考え方や行動の癖をなんとかしなければ、やはり根本的な改善には至らないかったと思います。

ちなみに、アメリカでは、心理療法がとても盛んで、私が勤めていた職場では、クライアントは薬をもらいにくるだけではなく、投薬治療と並行して、必ず心理療法も受けなければならないことになっていました。職場には1人の精神科医と、私を含めて4~5人の心理療法士、3~4人の(日本でいうところの)ソーシャルワーカーその他の専門スタッフがいて、手厚くサービスを受けられるシステムが整っていました。費用の点でも、保険が適用になる上、州政府の補助もあって、お金が払えない人はただ同然で専門的治療を受けることができたので、精神障害をもつクライアントさんたちにとっては、恵まれた環境だったと思います。

日本の精神医療ももっと整備されて、より多くの人が、安い費用で高品質な治療的サービスを受けられるようになっていけばいいなと思います。

 

 

 

 

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