以前、傾聴のカウンセリングに500万円費やしたけど、よくならなかったという方にお会いしたことがあります。
時々、何十年も前のことを、少しも衰えない感情の熱で、昨日のことように話す方がいらっしゃいます。
吐き出して、受けとめてもらえ、共感してもらったら、その場ではすっきりするかもしれないけど、また、その感情が戻ってきて、吐き出さなければならなくなる。
その繰り返しを、何十年もしている。
こういう場合は、聞いてもらうことによって、一時的に慰めを得るかもしれないけど、作用はごく表面的なものであり、本当に癒しが起こっているわけではありません。
その人が、その感情を再現し、強化してしまっている、大元の意識を変えなければ、いつまでたっても同じ繰り返しになってしまいます。
大元の意識こそが、その人の感情の製造機なので、それを変えないとどうにもならない。
大元の意識は、思い癖という形で表に現れやすいです。
ちなみに、人のせいにしていると、永遠に続きますね。
大事なのは、本人が変わることなんだけど、人のせいにしていると、自分は変わろうとしないので。
あと、寂しいから話を聞いてもらいたい、とか、褒めたり、認めたりしてもらいたいとかいう理由だと、カウンセラーに限らず、他の人との関係であっても、一時の慰めだけで、問題は未解決のまま、繰り返されます。依存できる人がいると、やっぱり自分の問題を自分でどうにかするということをしなくてすむので。
ただ、未解決のまま、その場にとどまって足踏みをしている状態だと、レコードの溝をなぞるみたいにして、意識の中で溝を深めてしまうわけで、長く繰り返せば繰り返すほど、修復が困難になります。
不可能ではないですけど。
なので、傾聴だけでは人は変わらない場合が多々あります。(自分で気づけて変われる人はいますが、そういう人は、そもそも、傾聴もあまり必要ではない気がします。)
色々なやり方で(どんなやり方で、どう変えていくことが必要かは、その人によるので、一概にいえません)、その意識状態をいかに変えるか、がポイントになってくると思います。