大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
みなさんにとって、素晴らしい一年になりますように。
ところで、先日、空手の先生に、素晴らしいことを教わりました。
先生は、私たち生徒を二人一組にさせ、ある実験をさせました。それは、一人が、手のひらが下向きになるように出し、その下に、もう一人が、手のひらを上向きに出して、互いに両手を合わせて、上の人が力を込め、下の人が相手の力に負けないよう、押し上げるという試みでした。
その後で、先生は、今度は、同じことを、下の人が、頭を空っぽにし、何も考えずに上の人の手をはねのけるように言いました。
その結果、どちらが強い力が出たかというと、頭を空っぽにしたほうでした。そのほうが、労せず、軽々と相手の手を押しのけることができたのです。(なので、空手でも、頭を無にしたほうが、素早く動け、強い力が出るということです。)
この原理は、私も以前から気づいてはいましたが、改めて目の当たりにし、確認できて、なるほどと感銘を受けました。
同じようなことで、ずっと前、探偵ナイトスクープという番組で、「アホは強いということを証明してください」(私は大阪出身ですが、関西では、親しみを込めてよくアホという言葉を使います。)という依頼がありました。アホになる=つまり、何も考えない、頭が空っぽの状態を作ったほうが、頑張って相手に勝とうと力むよりも、力が発揮されるということを証明するという内容です。例えば、ボクシングの試合中、一瞬、「アホになる」と、強いパンチが繰り出される、短距離走でも、走る直前に力を抜いてアホ状態になったほうが、タイムが上がるというものでした。
これは、普段の生活でも言えることです。
いい結果を出そうと「頑張る」というのは、「我を張る」ということにもなり、そうなると体に力が入って、かえって、潜在能力が表に出るのをブロックしてしまうんですよね。絶対勝ってやるとか、相手を打ち負かそうという思いも同じで、そうなると力みが邪魔をして、本来の最高のパワーの発現を阻んでしまいます。
こうなったらいいなと、なりたい方向性を意図することは必要でしょうが、いったん意図したら、それを手放して無の状態を作るほうがうまくいくものです。
フィギュアスケートやシンクロナイズドスイミングの選手が、勝ち負けを考えずに、音楽と一体化して、ただ気持ちよく演技しましたというときに、最高の力が発揮されることがよくあります。それと同じ原理です。
状況をコントロールしようとしすぎると、思考が強まって顕在意識に制限され、力づくで成し遂げるという感じになって、非常に消耗します。かつ、焦りや不安の感情も湧き上がり、苦しみが増えます。その上、自然なエネルギーの流れが阻害されるので、かえって望んだ状況が起こりにくくなったります。
それより、「是が非でもこうでなければいけない」というエゴの観念を手放して、頭を無にして流れに任せたほうが、無意識の領域であり、いわば神の領域でもあるハイヤーセルフ(自分自身に内在する叡智)とつながりやすくなるので、楽に、よりよい形で、目的を達成できます。
日ごろからそういう風に意識していると、余計な力が抜け、物事がうまくいきやすくなっていきますので、よかったら試してみてください。