盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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パニック症状の対処法(後半)

パニック症状の対処法(後半)

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前記事に続いて、後半です。

 

8.即座に心地よさを得られる何かをする

 

・おいしい軽食や食事をとる(この場合、軽食は、糖質やジャンクフードではなく、炭水化物と蛋白質を含むものであること。)

・熱いシャワーを浴びる、お風呂でリラックスする

・アロマの香りを嗅ぐ

 

9.心地よさを感じられる人や状況を思い浮かべる

 

安心感を得られる人物や、平和な光景を頭に思い描いてみてください。日々のリラクセーションとして、日ごろから、心地よい光景を描く練習をしておけば、より効果的です。

 

10.「思考停止」をする

 

①深く息を吸って、「ストップ!」もしくは、「やめ!」と叫ぶ。まわりに人がいる場合は、心の中で叫ぶか、ストップサイン進入禁止を思い描く。

 

②必要なら、①を繰り返す

 

③不安な考えを、より穏やかで、自分を励ましてくれるような言葉に置き換える。

 

「これは、すぐに終わる。」

「大丈夫、パニックは危険なものではない。ただ、やり過ごして、不安感がおさまるのを待とう。」

「これは、恐怖感の対処法を学ぶ、いい機会だ。」

「この危険は、現実じゃなくて、頭の中で起こっているだけだ。本当は、なにも心配ない。」

 

等。

 

もし、「ストップ進入禁止!」と叫んでも、思考停止ができない場合は、手首にはめた輪ゴムをはじく、という方法もあります。

 

否定的な思考を一旦停止できたら、ゆっくり深く呼吸し、呼吸に注意を向けるのも、効果的な方法です。

 

11.腹式呼吸をする

 

腹式呼吸を、ゆっくり、規則正しく、3~4分間行えば、パニック発作を悪化させる過呼吸を抑制し、こわばった胸部の筋肉をほぐすことができます。

 

日ごろから、1日5分、腹式呼吸の練習を行うことにより、よりリラックスしやすい体質を作ることができます。(リラックスできる音楽をかけて行えば効果的です。)

 

12.マッスル(筋肉)リラクセーションを練習する

 

パニック時の不快感の多くは、筋肉の硬直によって起こります。マッスルリラクセーションとは、まず、筋肉をわざと硬直させてから緩めることにより、筋肉をリラックスさせる手法です。パニック発作初期の段階でこれを行うことで、「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」の身体反応により筋肉が硬直する過程を逆行させ、パニックを抑える効果が期待できます。マッスルリラクセーションと腹式呼吸を組み合わせれば、より一層効果的です。

 

・こぶしを作って、手をぎゅっと握り締めてください。これを10秒間続けた後、10~20秒間、手を開いてリラックスさせてください。

 

・力こぶを作って、二頭筋を硬直させ、ゆるめる。以下、10秒間、力を込めた後、10~20秒間、筋肉を緩めてください。

 

・目を10秒間ほどぎゅっと閉じた後、10~20秒間、リラックスさせてください。

 

・ゆっくり頭を後ろにそらせて、首の後ろの筋肉を硬直させてください。このとき、首の後ろに意識を集中させます。10秒たったら、15~20秒間、今度はリラックスさせてください。

 

・両肩が耳につくくらい、できるだけ高くあげてください。10秒たったら、10~20秒間リラックスさせます。

 

・肩甲骨のストレッチを行います。肩甲骨が背中でくっつきあように、後ろに向かってそらせてください。10秒後、リラックスさせてください。

 

13.ポジティブな言葉を繰り返す

 

パニック発作の身体的な反応(第一段階の恐怖)は、突然やってくるかもしれませんが、この身体的な反応に対し、いかに感情的に反応するか(第二段階の恐怖)という部分は、パニックの症状に対して自分に何を言い聞かせるかによって決まります。もし、身体的な反応が、恐ろしくて耐え難いものだ、これはコントロールできない、死ぬかもしれない、と、自分に言い聞かせるならば、不安感は否応なしに増します。一方で、起こっていることを受け入れて、自分を落ち着かせて、安心するような言葉を言い聞かせるならば、症状の悪化を防ぐことができます。

 

「大丈夫、この症状はコントロールできる。」

「これは、どうせすぐ過ぎる。体が反応するままに、まかせよう。」

 

などの、ポジティブな言葉を繰り返しましょう。

 

14.ポジティブな言葉と、呼吸法(あるいは、リラックス法)を組み合わせる

 

ポジティブな言葉を繰り返しながら、腹式呼吸(または、マッスルリラクセーション)を行うことにより、最大限の効果が期待できます。

 

通常は、パニック段階の初期で、まず呼吸法を行い、その後すぐに、ポジティブな言葉の繰り返を行うのが最善ですが、人によっては、両方一度に始めたり、或いは、1~2分間呼吸法を行って、身体的反応に十分対処した後に、ポジティブな言葉を導入する方がいい場合もあるでしょう。色々試してみてください。また、組み合わせを行う前に、それぞれの方法を、個別に練習しておきましょう。

 

 

 

以上、1~14まで、主に認知行動療法に基づいたパニック障害の対処法を、ご紹介しました。特に、9~14までは、パニックのみならず、他の不安神経症の症状にも応用できる方法です。各種リラックス法は、例え数分間でも、毎日練習すればするほど、蓄積効果があり、数週間も続けて行えば、よりリラックスしやすい体質に変化することが可能です。よかったら、試してみてくださいね。

 

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