公共の場で子どもに駄々をこねられると、本当に困りますよね。
例えば、お買い物の場面。店内に入った途端、お店の中を走り回ったり、あちこちの商品を触って歩いたり、床に落としてみたり、仕舞いには、「あれ欲しい。」「これ欲しい。」が始まります。「ダメよ。今日は無しね。」と言おうものなら、「ぎゃー!」とひっくり返る。お母さんがなだめても、言えば言うほど、泣き声は大きくなり、そこから動こうとしない。「あーあ、また始まった。」とお母さんの心の中は、どんより。
こんな感じでしょうか。
駄々こねは、言い換えれば、自己主張。大切な発達過程ではありますが、親としては頭の痛いところですね。
では、この大切な発達過程である駄々こねをどうしたら、良い方向に育てることができるでしょうか。
人が人の言うことを聞く時の気持ちについて考えてみましょう。
相手のことを信頼できて、言われていることが納得でき、そして、その人の期待に応えたいと気持ちが働いた時に、言うことを聞こうと思うのではないでしょうか。
つまりは、以下の3つの点を育てるつもりで、子どもと関われば良いのです。
まず、
一つ目は、その場面がどういう場面であるかを理解できる力
二つ目は、相手を信頼する心
三つ目は、期待に応えたいという心
次に、上記の力や心を育てるためのコツについてお話します。
一つ目の「場面を理解する力」については、
お買い物の場面を例とすると、おおよそ以下の内容について、あらかじめ子どもに伝えておきましょう。
1 ◯◯というお店に行くこと
2 お店はお買い物をするところであること
3 走ったり、大声を出してはいけないこと
4 子どもが買ってよいのは◯個までであること
5 商品を選ぶ時は、親の了解を得ること
6 買う時は、必ずレジを通らなければならないこと
7 レジを通るまで、商品を開けてはならないこと
お出かけの前に、一遍に伝えても、理解できないでしょうから、日頃の遊びの中で教えてあげると良いでしょう。
二つ目の「相手を信頼する心」については、
日頃から、良いことは良い、悪いことは悪いと、はっきりと子どもにわかるように伝えてあげましょう。そうすれば、どんな時に褒められ、どんな時に叱られるかがわかるので、子ども自身も行動しやすくなるでしょう。それは、同時に、親への信頼が厚くなることにつながります。
三つ目の「期待に応えたい心」については、
日頃から、望ましい行動をとった時は、すかさず褒めてあげましょう。年齢が低かったり、元々器用ではない子どもさんですと、期待通りの行動が取れない場合が多いので、どこを褒めたら良いのだろうと悩むこともあると思います。でも、子どもは、必ず努力します。その努力を見逃さずに褒めてあげてください。そうすれば、頑張ることの喜びと達成感を味わうでしょう。その経験が、人の期待に応えたいという心を育てるのです。
結局のところ、駄々をこねる場面で言い聞かせてもどうにかなるものではなく、日頃からの関わり方が大切であるというわけです。このようなことを少しでも意識していただくことで、駄々こねに困らない子育てができるようになります。
(佐々木智恵)