盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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04日

バリアを解除して現実を受け入れる方法

不安や恐れ、怒りなど、いわゆる否定的な感情が慢性的に支配している人は、呼吸が浅く、だいたいいつも気が張って、体がこわばっています。これは変化に抵抗して、防衛のためのバリアを張っている状態です。

バリアを張っていると、外から新しいものが入ってくることができず、古いものを手放すこともできないので、変化が起こりません。こうして心を守っていると、これ以上刺激を受けて怖い思いをすることはないかもしれませんが、自分が作った閉鎖された空間の中で、エネルギーの動きがとまって停滞してだんだん淀んでいきます。

そもそも、バリアを張り巡らすということ自体、自然な状態ではなく、不自然な状態を保つために無意識に大きなエネルギーを使っているので、とても疲弊する行為です。それに加えて、新しい新鮮なエネルギーが入ってくることができないので、どんどん今あるエネルギーが枯渇して、最終的には無気力(エネルギー不足)になり、うつ状態に陥ります。

では、どうやってバリアを解除したらいいのでしょうか。

自分を守るために築いた壁を、そう簡単に壊すことはできないのでしょうが、少なくとも一時的に痛みにしがみつくのをやめ、バリアを解除して、ありのままの現実を受け入れる方法があります。

やり方は一つだけではありませんが、1分あればすぐにできる簡単な方法なので、私がよくカウンセリングで使うのが、聴覚をつかう方法です。これは、少しの間、ただ、耳を澄まして、周囲の音だけに集中するというものです。これはできれば人工的な音があふれている町中よりも自然の多い場所で行う方が効果的です。耳を澄ませば、通常、複数の音が入ってくるでしょうが、その中でも、鳥や虫の声など、自然の音を聞き分けて、それに意識をフォーカスします。そばに川があれば水の流れる音でもいいでしょうし、風が吹いていれば風の音、雨が降っていれば雨の音に耳を傾けるといいでしょう。そうすると、音を聴いているわずかな時間、音に集中すればするほど、防衛のために固くなっている心や体が外に向かって開き、穏やかにリラックスします。これは、苦しみにしがみつくのをやめて、今ある現実(周囲の音)をありのまま受け入れたために起こる状態です。

聴覚以外に、ぼんやり景色を見る、呼吸に意識を向ける、瞑想する、温泉やアロマでリラックスする等でもいいでしょう。

リラックスして力が抜けている時は、私たちはありのままの現実を受け入れやすい状態になります。特に、考えるのをやめて感覚に身をゆだねているときは、外のものが自分の中に入ってくるのを自分に許している状態になります。なので、防衛が緩むのです。この時、自分の中に入ってくる感覚が心地よいものであればあるほど、楽になって心が落ち着き、心と体に変化が起こります。

結局、変化というものは、起こっている現実をいったん受け入れることによってはじめて起こるものなんですね。現実を拒んで抵抗していたら、どうやってその現実を変えることができるでしょう。けれども、私たちは、痛みを抱えているときは特に変化に抵抗しがちです。そういうとき、上記の方法で、少しの間でも抵抗をやめると、縮こまった心がほどけ、エネルギーに動きが出てきやすくなります。

「ありのまま受け入れる」ことでバリアを解除し、止まっている心身のエネルギーを動かす簡単な方法、みなさんもよかったら試してみてください。

 

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