盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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24日

自己への慈しみと自尊心

近年、アメリカの心理セラピストの間では、自尊心を高めるよりも、自己への慈しみをはぐくむほうが、心にとって健康的であるといわれるようになってきました。

そもそも、自己への慈しみと自尊心は、どう違うのでしょうか。

心理学博士であり、脳心理学者でもあるるウォーデン博士は、自尊心は下記の点で問題があるとしています。 

 

・他者からの承認に重点が置かれている

・自分以外の価値観に合わせて生きる結果、満足感を損なう可能性がある。

・高めることが難しい

・非常に不安定で、最新の成功や失敗に応じて上下する。

・ナルシシストで自己中心的になる危険性がある。

・しばしば、人はこれを、優越感を持つことによって作り出そうとする。

・自尊心が高い人は、しばしば怒りや攻撃性も強い。

・見た目や競争心、人を卑下することにより、生みだされることがある。

 

自己への思いやりと自尊心は、双方とも自分に対する肯定的な気持ちを含んでいます。この2つの違いは、

 

・自尊心は、自分を「価値があり、好ましく、有能である」と評価することから生まれる。

・自己への思いやりは、自己評価を含まないで、かつ、自分を気づかい、自分とのつながりを持つという、肯定的な感情を伴う。

 

なので、自己への思いやりには、自尊心にみられる欠点を持たないと、ウォーデン博士は言います。

 

自尊心に対し、自己への思いやりは、下記のように特徴づけられています。

 

・ナルシシズムと結びついていない。

・エゴの脅威から守ってくれるので、不安感が少なくてすむ。

・過去の失敗に対し、より大きな責任感を持つことができる上、それを苦悩する度合いも少なくなる。

・安定性が高い

・より強いつながりをもたらす(他者と比較したり、怒ったりすることが減り、よりよい関係を築くことができるため。)

 

自尊心というのは、自分の行為や存在自体を、いいとか悪いとか評価することに関係します。いい・悪いの評価というのは相対的なものなので、どうしても人と比較して、劣等感や優越感を抱いたりしがちな上、自分の価値を見定めるにあたり、人の評価を気にしてしまうということも起こってきます。

そもそも、人間の価値というのは、人が判断して決めること自体、不可能であり、無意味です。人の評価を自分の価値基準にするのは、とても不自由だし、ばかばかしいことだと私は思います。

これに対し、自己への思いやりとは、いい・悪いという評価をせず、自分のすべてをまるごと受け入れて、自分に対して理解と慈しみを抱くということ。確かに、自尊心よりも自己への思いやりを持つほうが、心が満たされて、ずっと建設的に生きていけるでしょう。

そして、自分に思いやりを持つことができる人は、人に対しても楽に思いやりを持つことができるので、幸せな人間関係を築いていけるものだと思います。

 

(参考資料:Worden, T. (2014).  The Neuroscience of Self & Self-Acceptance: Brain-Based Strategies for Adressing Entrenched Guilt & Shame, PESI Webcast Seminar)

                                                                                                                        (Chika)

 

 

 

 

 

 

 

学校に通えない子どもに出会ったら

学校に通えない子どもたちに出会った時、決して、その子の生きる力を見落としてはならないと思っています。

傷つき、それでも頑張ってきた結果、エネルギーが枯渇し、自信も失っているであろう子どもたち。
自信を失うと、もう、自分は駄目だと思いがち。
でも、人にとって、大切なのはお勉強することでも学校に通えることでもない。
生きる力とは何なのかを知っており、それを持っていることであると、私は思います。

どんな子どもも、ちゃんと、生きる力を持っています。だって、今、苦しいのに生きてくれているのですから。

そのことに、感謝しましょう。

そして、その子の素晴らしさを言葉にして伝えてあげましょう。
どんな子どもも、キラキラとした素晴らしい力を持っています。

周りの人間に必要なことは、その素晴らしさに気づく力であると思います。
そして、少しずつ、自信を取り戻し、自分を取り戻せるよう、見守っていきましょう。

 

                                                                                                                                    (佐々木智恵)

学校に通えない子どもたち

学校に通えなくなる子どもは、今となっては珍しい話ではありません。

お勉強の他にも、色んな経験をさせてくれる楽しいはずの学校。
それがいつしか、トラウマになるほどに苦しく、恐怖心を抱く場所になってしまう。
いつの間にか笑顔を忘れ、言葉を失い、ひきこもるようになってしまう。

不安、恐怖、焦り、劣等感、恥、嫌悪‥‥
心の中は、色んな感情が交錯しているのでしょうけれど、本人すらもよくわからない。
学校に行こうとすると、具合が悪くなる。行けない。
周りは、「心配してどうしたの?」「何があったの?」って聞いてくる。
何があったか?
色々あったかもしれないけど、言葉にできない。

もう、傷つきたくないから言えない。
どうせわかってくれないから、言えない。
更に、事態が悪化するから、言えない。
本当にわからなくて、言えない。

十人十色

不登校と一口で言いますが、一人一人、違います。
だから、皆さん、どうしたらよいか悩みます。
本人はもちろん、親御さんの苦しみは、他人には、想像もつかないほどでしょう。

しかしながら、子どもの支援に最も必要なのは、お父様、お母様のお力です。
お父様お母様方が、心身ともにお元気でいらっしやること
子どもさんの反応に一喜一憂せずに、大きな器で見守ること
それが、一番、大切です。

でも、親も人の子。その一番大切なことが、一番難しい。
一人では、不安になって、どれが正しいかわからなくなる。

だからこそ、一人で抱えない。必ず、相談しましょう。                     

学校に通えなくなった子どもが、自分を取り戻すことが必要なのと同様に                                                                     親御さんも、自分に正直になることが必要なのですから。

 

                                                                                                                                    (佐々木智恵)