盛岡心理カウンセリング・ハミングバード

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07日

パニック障害が起こるしくみ

パニック障害に苦しんでいる方は、たくさんいらっしゃると思います。今回は、パニック障害が起こるしくみについて、少しお話したいと思います。

簡単にいうと、たいていのパニック障害は、「実際には存在しない恐怖に対して、あたかもその恐怖が今、起こっているかのように、体が反応する」ことにより、起こります。

例えば、道を歩いていて、向こうからゴリラがやってきたら、たいていの人は、パニックになると思います。そして、身を守るために、筋肉は収縮して硬くなり、動悸は激しくなり、呼吸も早くなり、発汗するでしょう。これは、体内のアドレナリンが、自分を危険にさらすかもしれない対象物を認識したことにより、一挙に放出されたことために起こる反応です。

この体の反応は、Fight or Flight(戦うか、逃げるか)といわれる、防衛反応です。この状況で身を守るためは、ゴリラと戦うか、逃げるかしなければならず、瞬発力を最大限に発揮して、すばやく機敏に動けるように、体が準備をするわけですね。

もし、恐怖が実在するのであれば、その体の反応(激しい動悸、過呼吸、発汗、筋肉の収縮等)は、恐怖の対象物から身を守ろうとする、防衛反応として、必要不可欠なものですが、問題は、その反応が、頭が作り出した恐怖により、不必要に起こってしまうことです。

例えば、過去に起こった恐怖の記憶により、「またそうなったら、どうしよう。」と思ってしまう。その思考だけで、体の反応を起こしてしまうわけです。そして、アドレナリンを放出させてしまい、その肉体反応を捉えて、ますます、「ああ、動悸が激しくなってきた。息が苦しい。このまま、倒れるかもしれない。もしかすると、死ぬかもしれない。」と、ますます、Fight or Flightの肉体反応を煽り立てるような思考を、増幅させてしまうわけです。

このとき、恐怖が実在しないことを、再度意識することは、とても大切です。頭の中のおしゃべり(専門用語ではセルフ・トークといいます)を、意識的に言い換えてあげることも、パニックには効果的です。例えば、死ぬかもしれない⇒これは、ただ、体が間違えてアドレナリンを出しているだけだ。私は絶対に大丈夫だ、など。(パニック障害で死ぬことはありませんので、安心してください。)

それから、逆説的に聞こえるかもしれませんが、もう一つ大事なのは、不快な思考を無理やり押しのけようとして、抵抗しないこと。抵抗すると、かえって、押しのけようとする対象物は、強さを増し、パワフルになって押し返そうとするからです。このとき、抵抗するのをやめて、一度、その存在を頭の中で認めてあげてから、別のものに意識を移したほうが、うまくいきます。

呼吸をコントロールして、深くゆっくりした呼吸を心がけることは、最も大切です。

パニック障害については、もっとお話ししたいことがあるので、また、折を見て、書きたいと思います。